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大震災時に備えた企業の事業継続計画(BCP)とは

3/11(月) 12:02配信

ウェザーニュース

 3月11日で東日本大震災からちょうど8年が経ちます。震災が起きたときに企業はどのように対応をしたのでしょうか。

 企業が被災した時のための対応マニュアルのことを事業継続計画(以下BCP)と言います。中小企業庁では、BCPの有無によって災害への対応速度に差が出るとして、BCP策定を推奨しています。

BCPを策定している企業は14.7%

 しかし、帝国データバンクが公開した調査によると、「BCPを策定している」と回答した企業は14.7%、「現在策定中」の企業を併せても22.1%しかありません。

 では、実際にBCPを策定していたことで被災しても円滑に対応できた伊藤忠商事をはじめ3社の事例から、企業とBCPについて考えてみます。

不測の事態にも迅速に対応できた3社 - 伊藤忠商事

 伊藤忠商事では、震災3日後の14日にBCP(事業継続計画)対策本部を立ち上げ、グループ全体の事業継続に乗り出しました。特に、東北支社ではオフィス家具の転倒などの大きな損害に見舞われたため、対策が急がれました。

 具体的には、社員の安否確認に始まり、被災状況の確認、社員への連絡手段の確保・再整備、大規模余震・突発的大規模停電に備えた緊急対応、東北支社・グループ会社への食材運搬などが行われました。

 その結果、約1週間後の3月22日には通常の体制での業務再開を達成しました。

不測の事態にも迅速に対応できた3社 - 鈴木工業

 想定外の大きな被害を受けたにも関わらず、早期の事業継続に成功した会社もあります。

 産業廃棄物処理・リサイクル・上水下水道施設のメンテナンスを主業務とする鈴木工業は、JR仙台駅と仙台港との中間に位置していたため、本社とリサイクル施設は損壊、さらに産業廃棄物の中間処理施設が津波で流出し全壊してしまいました。

 しかし、鈴木工業は震災当日の15時30分にBCP発動を決定、同日22時ごろまでに社員の安否確認を終えました。その後、業務提携している会社に衛星電話で連絡し、自社の被災状況調査を依頼したり、事業継続のために災害協定を結んでいる業者や他県の中間処理業者の協力を取り付けるなどの対応を進めました。こうした初動が功を奏し、被災から38日後の4月18日に完全復旧が実現しました。

鈴木工業の鈴木伸彌専務取締役は、BCAOアワード2011大賞(NPO法人事業継続推進機構が主催する、優れたBCP実践例に与えられる賞)受賞式の場で、「BCPでは大津波までは予測していなかったが、BCPに基づいて、社員一人ひとりが目標を認識して行動できたこと、他社の協力を受けて業務継続ができたことが重要だった」と述べています。

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最終更新:3/11(月) 12:02
ウェザーニュース

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