ここから本文です

東日本大震災から8年 大手ビールメーカーの復興支援が実を結ぶ

3/11(月) 12:02配信

日本食糧新聞

東日本大震災から8年。この間、大手ビールメーカーが取り組んできた復興支援が実を結んでいる。キリンが農水産物のブランド化や販路拡大に成果を生み出しているほか、アサヒによる被災地での大麦栽培の取組みも地元の産業として独り立ちしつつある。

キリングループは震災が発生した年の7月に「復興応援キリン絆プロジェクト」をスタート。3年で60億円を拠出し、教育やスポーツを通じた多様な活動を展開してきた。酒類食品メーカーとしての知見を注ぎ込むのが、付加価値をもった地域ブランドの再生や未来を担うリーダーの育成。これまでも東北の豊かな農水産資源をブランディングしてきたほか、組織量販を巻き込んだ販路の拡大などにいくつも成果を残している。

一方、本業のビールに関連した復興支援に取り組み続けているのがアサヒ。宮城県東松島市で展開する「希望の大麦プロジェクト」は今年で6年目を迎える。現在までにアサヒグループから3人が2年間ずつ、一般社団法人東松島みらいとし機構(略称HOPE=ホープ)に出向。現地住民と対話しながら、アサヒならではの被災地支援を模索し、実践してきた。

3代目の担当者である三井茂史氏(アサヒ飲料から出向)が2月28日、「希望の大麦」で醸造したビールの試飲会で現在の状況を報告した。前任者がつくってきた大麦栽培の仕組みや人的ネットワークを生かし、2018年にはホープを主体とする農業生産法人との契約栽培をスタート。

収穫した大麦をクラフトビールや菓子のメーカーに販売する道筋もつくるなど、プロジェクトが目指す現地の「なりわい(=産業)」を生み出すことに成功した。

今後は「契約栽培をしてくれる生産者と原料として大麦を使うメーカーを増やすのが役割」(三井氏)となる。栽培規模を増やすことでコストを下げ、より幅広い用途で商品化してもらい事業基盤を安定させたい考えだ。

目下、活動の認知度を上げるため情報発信に努める。「なりわい」と並ぶ目標である「にぎわい」を生み出し地元への定着を図る。

最終更新:3/11(月) 12:02
日本食糧新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事