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震災8年、鉄道不通区間は76km。残りはどうする?

3/11(月) 9:27配信

ニュースイッチ

バスも有効活用、持続可能な形に

 東日本大震災で甚大な被害を受けた鉄道網は、この8年間で鉄道の復旧や、BRT(バス高速輸送システム)化で機能を回復してきた。震災直後に7線区約400キロメートルあった不通区間も、残りは2線区約76キロメートル。2020年3月にすべて解消される見通しだ。地域外へと路線が延びる鉄道やBRTは、生活の足であるとともに、交流拡大への貢献が期待される。

 23日にはJR東日本の山田線・宮古(岩手県宮古市)―釜石(同釜石市)間が、第三セクターの三陸鉄道に移管されて運転を再開する。JR東の深沢祐二社長は「復興に当初から関わっており、非常に感慨深い」と話す。

 JR東が原形復旧させて協力金30億円とともに鉄道施設を自治体に無償譲渡。三鉄が施設を無償で借り受けて運行する。当初は「BRTの復旧を念頭に置いていた」(JR東の大口豊執行役員)が、地元が鉄道を活用した復興のまちづくり構想を打ち出したことで、鉄道再開を模索した。

 鉄道の維持は地域に多大な負担を強いるため、持続可能な形とすることが課題だった。三鉄は全国の三セク鉄道の中でも収益性が低く経営は非常に厳しいが、山田線で南北に分断されていた既存路線を一体化することで生産性改善を目指す方針だ。JR東も「我々も応援したい」(深沢社長)と運行面ほかで協力を惜しまない。

 震災前の10年度に同区間の平均通過人員は1日693人。南北のリアス線は、これよりも少ない。到底、鉄道の採算性は見込めないが、沿線住民らが乗って残す“マイレール運動”を繰り広げており生活の足として期待が大きい。今後、鉄道で復旧した効果を、交流人口の拡大にも最大限発揮したいところだ。

 一方で気仙沼線の柳津(宮城県登米市)―気仙沼(同気仙沼市)間と、大船渡線の気仙沼―盛(岩手県大船渡市)間はBRTで復旧した。復興を加速するために早期の交通回復を目指し、軌道敷を舗装してバス専用道とする仮復旧を実施。のちに地元から利便性を評価されて本格復旧(恒久化)へと移行した。

 10年度の平均通過人員は気仙沼線区間が839人、大船渡線区間が426人とバスでの代替が妥当な水準だ。JR東は自らが一般乗合旅客運送事業者となって「鉄道に近い形」(大口執行役員)でのBRT実現に努めた。

 専用道の延伸による定時性向上やスマートフォンによるバス位置情報の提供、ICカードや観光車両の導入でバスの弱点を補完し、運行頻度も鉄道に比べて大幅に高めた。BRTは今も柔軟に、町の復興に合わせて駅を移転させ、利用状況や列車接続に応じて運行区間を伸ばすなど、利便性を高め続けている。

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最終更新:3/11(月) 9:27
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