ここから本文です

大震災の津波「想定外」と弁護側 東電公判、「予見」が焦点

3/12(火) 23:33配信

産経新聞

東京電力福島第1原発事故をめぐる刑事裁判は12日、東京地裁で結審した。同社元会長の勝俣恒久被告(78)ら旧経営陣3被告の弁護側は最終弁論で、東日本大震災による津波が「想定外」だったことを強調。一方、検察官役の指定弁護士はこれまでの公判で、事故前の試算に基づいて対策をすれば「事故は防げた」としており、主張は真っ向から対立している。未曽有の事故への司法判断は、半年後に示される。

 「予見の対象をあいまいにすべきではない」。3被告の弁護人は、最終弁論をこう切り出した。

 東電の担当者らが事故前に検討していた津波対策は、原発敷地の南側に防潮堤を設置するという計画だったが、実際に起こった津波は敷地の東側全面から原発を襲った。弁護人は、3被告の過失を問うには「原発の敷地の東側全体に10~13メートルを超える津波が来るとの予見可能性が必要」として、結果回避義務が生じる範囲を限定した。

 さらに、指定弁護士が信頼性があるとみる地震予測「長期評価」を前提とした試算では、同様の津波は予見できず、事故は防げなかったとの立場を強調。そもそも長期評価は根拠が不明確で、元副社長の武藤栄被告(68)がその妥当性を外部の専門家に委ねる方針を出したのは「安全性を高めるのに不可欠な手順」だったとした。

 最終弁論では、証拠採用された当時の東電幹部の供述調書の信頼性にも疑問を投げかけた。3被告が出席した通称「御前会議」で、長期評価を対策に取り入れる方針が一旦は「了承された」とする内容などについて、「検察官に誘導されたことがうかがわれる」と指摘。会議があった平成20年2月時点で、津波対策についての決定事項はなかった、と主張した。

最終更新:3/12(火) 23:33
産経新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事