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「日本人はなぜ席を譲らない?」とツイートしたら「レディーファーストって意味不明」と猛反発された

3/12(火) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ドアとエレベーターのルール

同様にあと2つ、日本が真の意味でグローバル化をするなら、日本でもそろそろマナーを改善した方がいいのではと思うことがある。

1つ目は、後から来る人のためにドアを押さえておいてあげるということ(これは、性別は関係ない)。見ていると、日本人でこれが自然な行動として身についている人はかなり少ない気がする。Twitterでも、こんな風に書いているお母さんがいた。

「うちの高校生の息子がカナダに2週間だけ留学したとき、到着直後、驚きながら連絡してきたことがありました。『前を歩いてた人がドアを開けて待っててくれたんだよ!』って…。こっちがびっくりしました。この子は日本に16年住んでて、ドアを開けて待っててもらったことがなかったのか…、と。」

私自身もアメリカで生活するようになってこれが癖になった気がする。こちらではドアを開けて通るとき、一瞬後ろを振り返って、次の人のためにドアを押さえて待ってあげる。押さえてもらった方の人も「ありがとう」と言う。それがスタンダードだ。

2つ目がエレベーター。欧米ではエレベーターを降りる時も、マナーのある男性は女性に「どうぞお先に」と譲る。「エレベーターから最後に下りるのは男性であるべきだ(女性一人を最後に残して下りない)」というのが暗黙の了解なのだ。だから、日本のエレベーターで扉が開いた瞬間に男性たちが我先にと降りるのも、日本を訪れる海外の人の目には異様に映るだろうし、驚くと思う。

日本流の「おもてなし」も大事だけれど、このように日常的で基本的なマナーをグローバルスタンダードに合わせていくことの方が、実はもっと重要なのではないかと思う。これはオリンピックに限らず、今後、国境を超えて仕事をする日本人が増えていけば、必ず求められる。そういう基本的なマナーの部分でズレていると、仕事や人間関係の面でも間違いなくマイナスになる。

いろんなことを言語化していくことの大切さ

「電車の座席問題」のやりとりをしている時、2人の男性の友人(いずれもアメリカで生活していたことがある日本人)が、「言語コミュニケーション欠落説」を唱えていた。日本人は、知り合いでない人に言葉でコミュニケーションをとる習慣がない。悪気があるわけではなく、気楽に「座りますか?」「荷物手伝いましょうか?」「ありがとう」「どういたしまして」の声が出ないというのだ。

日本人同士だけで生きている時代は、「以心伝心」「日本ではこういうものだから」でやっていけたかもしれないが、さまざまなバックグラウンドの人々が日本に入ってきたり、海外の人々と仕事をし付き合っていかなくてはならない日本人が増えていくのであれば、もっといろいろなことを明確に言語化していかないと誤解が増え、結果的に日本人が損をすると思う。

でも先日、私のツイートとは関係ないところでこんないい話を見た。

「席どうぞ、とお兄さんがおばあさんに電車で席を譲るとおばあさんが『いいのよ、年寄りにも意地を張らせて』と優しく断った。するとお兄さんが『いえ、レディファーストなんで』と言って、おばあさんが嬉しそうにありがとうと席に座った。この切り返し、みんな幸せになれる…お兄さん素敵やん」

渡邊裕子(わたなべ・ゆうこ):ニューヨーク在住。ハーバード大学ケネディ・スクール大学院修了。ニューヨークのジャパン・ソサエティーで各種シンポジウム、人物交流などを企画運営。地政学リスク分析の米コンサルティング会社ユーラシア・グループで日本担当ディレクターを務める。2017年7月退社、11月までアドバイザー。約1年間の自主休業(サバティカル)を経て、2019年、中東北アフリカ諸国の政治情勢がビジネスに与える影響の分析を専門とするコンサルティング会社、HSWジャパン を設立。複数の企業の日本戦略アドバイザー、執筆活動も行う。

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最終更新:3/12(火) 17:30
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