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「極端な事例を一緒くたに」「すぐ原発推進か反対かの議論に」福島第一原発事故の低線量被曝をめぐるメディアの伝え方に苦言

3/12(火) 21:50配信

AbemaTIMES

 澤田氏は「わずかな放射線量の影響をどういうふうに見て、どう解釈するかというのは、実は専門家の間でも意見が割れているところがある。現時点で我々が最も頼りにしているものとしては、国連科学委員会(UNSCEAR)が何年かおきに出している報告書がある。そこには“福島の18歳以下に関して被曝との明らかな影響のもとに甲状腺がんが発症しているということは認められないが、今後も慎重に見ていく必要がある“という内容の但し書きがしてある。そういう状況だ」と説明する。

 「チェルノブイリの場合、事故直後に規制を厳しくしなかったために、甲状腺にたまりやすいヨウ素が降り注いだ牧草を食べた乳牛から出た牛乳を人間が飲んでしまった。そのため、後に甲状腺の異常やがんが発生した人が多く出たということがわかっている。そういう経験もあって、福島の場合は事故直後から牛乳などを摂取しないよう規制した。もちろんゼロとは言えないが、かなり摂取制限はできたと思う。むしろ、同時に出てきたセシウムという別の元素による影響が問題になっているが、これに関しては今のところまだよくわかっていない。影響はほとんどないはずだという人もいるし、ちゃんと見なければならないという人もいて、意見が分かれるところだ。国連としては、今後もちゃんと見ていくことにしている」。

 石戸氏は「悲惨な歴史だが、今のところ、チェルノブイリや広島・長崎の被爆者を追いかけた調査が最も信頼に足るデータと言われていて、ものすごい量を被曝した時の人体への影響についてわかったことがたくさんあった。ただ、福島での原発事故後に起きているのはそれとは比にならないくらい低線量。だからこそ余計に議論がこじれてしまっているというのが現状だ。まさに調査を進めている段階ということもあるし、ものすごく細かくチェックをしているので、通常の検査では見つからないようなものまで発見してしまっている可能性も指摘されている。伝え方も含めて非常に難しいが、国連の報告などでは、あくまでも集団的に見ると、がんや遺伝性の疾患、出生時異常の増加を含め、発生率のような形で識別できる変化はないのではないかという予測が立てられるという言い方をしている」と指摘。

 「極端な事例で語ることで、ちゃんとチェックしていこうとか、経過を観察していこうという声がなかなか伝わりにくくなっている。本当に心配しなければいけないことにリソースを割かなければならないのに、極端な意見に対して反論することにばかりリソースを割かなければならないような状況が生まれるという弊害が出ている。議論の設定の仕方を間違えると、おかしな方向にどんどん進んでしまい、結果的に検査を受けている子どもたちが置き去りになっていく。ここが本当に危ないところだ。起きてしまったことに対処しなくてはいけないのは、原発推進か反対か、政治的スタンスに関係なく合意できる話だと思う。それなのに、全く別の議論を原発事故が起きた後の福島の話に持ってきたり、原発推進か反対か分かれるような議論になっているのが不幸だ」。

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最終更新:3/12(火) 21:50
AbemaTIMES

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