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現役医学生の約7割、将来の働き方に「不安」 - 医学連調査、過重労働などを懸念

3/12(火) 17:10配信

医療介護CBニュース

 現役の医学生の約7割が将来の自身の働き方に不安を感じていることが、全日本医学生自治会連合(医学連)の調査結果で分かった。不安を感じている医学生からは、「医師が心も体も健康を保てるような環境が整っているとは到底思えない」など、現状の過酷な労働環境を懸念する声が上がった。【松村秀士】

 25大学が加盟する医学連は、2018年11月から19年3月にかけて全国81大学の医学生を対象に調査を実施。2月1日現在で50大学の医学生計2186人から回答を得た。

 12日に厚生労働省で開かれた記者会見で、医学連の中央執行委員会の山下さくら委員長(宮崎大医学部医学科5年生)らが2月1日時点の中間結果を公表した。

 それによると、将来の自身の働き方について不安に思うかどうか聞いたところ、「とてもそう思う」が21%、「まあ、そう思う」が46%で、合わせて約7割が不安感を抱いていた。「あまりそう思わない」は25%、「全くそう思わない」は8%だった。

 男女別で見ると、「とてもそう思う」と答えた女性の割合は31%で、男性よりも17ポイント高かった。

 不安を感じている医学生からは、「現状、体力のある医師が過重労働することで現場をギリギリ回している。医師が心も体も健康を保てるような環境が整っているとは到底思えない」(6年生・女性)、「現場で働く医師の過重労働が、やがて医療ミスへとつながる」(2年生・男性)など、過重労働によって自身の身体や生活に悪影響を及ぼしたり、医療ミスにつながったりする不安の声が寄せられた。

 また、「医師が無理なく働き続けられる医療現場の構築が重要であると考えるが、その見通しが立たない現状や将来に強い不安を覚えている」(1年生・男性)、「過重労働のために自殺率も高いのに、システムを変えず人的資源に頼ろうとする体制がとても不安」(4年生・女性)といったように、現在の医療体制が改善される見込みがない現状を憂慮する意見もあった。

■差別意識が医学生を抑圧している現状を看過できない―医学連

 調査では、一部の大学の医学部の入試で性別や年齢を理由に一律で減点していた事案についても尋ねたところ、「人生をかけて受験に臨んでいるのに、大学側の勝手な事情で一律減点するのは、あまりにもひどい」(1年生・男性)、「大学側が差別を容認しているようなものであり、許されることではない」(2年生・男性)といった反発の声が上がった。一方、特に私立大学に関して、「ほしい人材を選ぶ権利がある」(5年生・男性)など大学側の方針に理解を示す意見もあった。

 医学連は、医学生の権利を守る立場として、医学部に根強く残る差別意識が多くの医学生を抑圧している現状を看過することはできないと強調。また、入試での差別によって医師の多様性が損なわれるのは、社会が求めていないとした。

 さらに、医学部の受験生に対する不当な扱いの背景には、厳しい長時間労働を引き受けられる人材が求められている現在の過酷な労働環境があり、「これが多くの医学生の将来への働き方に対する不安につながっている」と指摘。性別や年齢などによる受験生への不当な扱いを根本的に解決するため、医師の労働環境の早期の改善を強く求めている。

CBnews

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