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「また登りたくなるかも」 富士山愛する91歳・杉本さん

3/13(水) 12:20配信

カナロコ by 神奈川新聞

 横須賀市湘南鷹取に住む杉本與七さんが昨年8月、昨年の開山期間(7~9月)では最高齢の91歳で、富士山登頂に成功した。幼い頃から山に親しみ、登山で得られる達成感に魅了され、60歳ごろから霊峰富士に挑み始めた。21回目の登頂に「最高齢だから一つの区切り」としつつ、「でもまた登りたくなるかもしれない」と優しくほほ笑んだ。

 杉本さんは昨年8月25日午前中、登山口の5合目を出発。何度も休憩を挟み、8合目辺りの山小屋にも1泊しながら、翌26日午前中、山頂にたどり着いた。

 自宅に昨秋、70歳以上の登山者が山頂で記帳した名簿が届き、約2千人の中で自身が最高齢だったことを知った。杉本さんは「うれしいに間違いないけれど、私以外にもすごい人はもっといる」と恐縮し、「健康な体をくれた親に感謝したい」と話す。

 富山県出身の杉本さんにとって、山は身近な存在だった。幼い頃からキノコや山菜を採取。小学校卒業後の集団就職を経て、戦後は警察庁の通信技術者として働いた。全国を転勤する仕事柄、休日には各地の山に1人、足を運び、50年以上かけて日本百名山を踏破した。

 富士山には、60歳ごろから登り始めた。裾野に広がる富士五湖を望む景観に魅せられ、最近では日本最高峰への挑戦が毎年の恒例行事に。3年ほど前に近所の70代男性と一緒に登った時には、8合目で足がつった男性の荷物を杉本さんが背負い、登頂した。

 杉本さんは登山の魅力を「苦しい状況を乗り越えられるところが好き。険しい山で『二度と来ない』と思っても、しばらくすると『良い所だった』と思えてしまう」としみじみ語る。健脚を保つ秘訣(ひけつ)は「車やバスに頼らず、規則正しく生活すること」。それだけでなく、日課として自宅近くの鷹取山の展望台まで約30分歩き、天気が良いと道中で富士山が見られる逗子市・神武寺までも約3時間かけて往復するという。

 これまで1人で登山することが多かったが、日常生活での体力の衰えを感じていた妻・久美子さん(91)に助言され、昨年8月は長男の年光さん(63)が同行した。杉本さんは「妻も心配している。もう年なので、妻との時間を長く持ちたい」と話し、加えた。「でも状況が変われば、また登りたくなるかもしれない」

神奈川新聞社

最終更新:3/25(月) 12:48
カナロコ by 神奈川新聞

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