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自費出版が大反響 薪を燃やした灰は「セシウム濃度200倍」という恐怖

3/14(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 一冊の自費出版本が売れに売れている。初版3000部から3カ月で1万6000部まで増刷した「図説17都県放射能測定マップ+読み解き集」(みんなのデータサイト出版)だ。2011年3月11日の東京電力福島第1原発事故後、放射能汚染の実態を測定してきた市民グループ「みんなのデータサイト」が発行した。

「国がやらないなら、自分たちで測るしかない!」と、約4000人の市民ボランティアが、土壌を調査。青森県から静岡県まで17都県、約3400カ所で測定したデータを地図上にまとめたものだ。

 本を手に取った人からは、「近所でも汚染がひどいことに驚いた」「知らないことばかり」などの感想が届く。中でも多いのが、森林汚染に関する声だという。

「最近ジビエを食べたばかり。ゾッとした」(会社員=53)、「家族でハイキングに行ったばかりなのに……」(主婦=38)、「キャンプが趣味。山菜や灰の汚染具合に衝撃を受けた」(会社員=40)といったものだ。

「みんなのデータサイト」事務局長の小山貴弓さんが言う。

「人が住んでいない多くの森林は除染の対象外。セシウム137の半減期は30年なので、100年単位の長い時間をかけて自然に放射能が減る以外に大きな変動がありません。東北から関東地方の広い範囲で、いまだに高い数値が出ています」

 恐ろしいのが“灰”の問題だ。前出の小山さんはこう続ける。

「薪や置き材を燃やして灰にすると、セシウム濃度が200倍に“濃縮”されるんです。いまグランピングが流行していますが、高汚染地域の木や落ち葉でたき火をすれば、その灰は凄く高い可能性が。片づけるときに吸い込んだり、子どもと一緒にマシュマロを焼いたり、焼き芋を作ったりすれば、体内に取り込まれる心配があります」

 たとえば、薪で40ベクレル/キログラム程度の汚染でも、灰になると最高で8000ベクレル/キログラムを超える計算になる。これは、指定廃棄物として扱える放射能レベルだ。

「灰を庭にまいて家庭菜園をしていたという声もありました。その土を汚染させ、せっかく作った野菜も汚染させていたかもしれません」と小山さんは心配する。

 食品ではないため、見過ごされがちの“灰”。よく考えると、薪ストーブのペレット、石窯焼きのピザ、バーベキューやキャンプファイアなど、身近にもある。以後100年は、どこで切り出された薪なのか意識したほうがよさそうだ。

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