ここから本文です

分離プランは楽天に“不利”――米国シンクタンクから見た日本の通信行政

3/14(木) 6:30配信

ITmedia Mobile

端末セット販売:消費者が新技術を受け入れる機会を作るために必要

 日本における分離プランの話は「料金プランが分かりづらい」という文脈で始まった部分もある。マンデル氏によると、こういう意見は万国共通で、特に通信に関する規制当局(日本なら総務省)はそういう考えになる傾向にあるという。

 通信と端末を分離して料金を分かりやすくするというアプローチについて、マンデル氏は「技術革新の遅い時期ならおおむね妥当」とする。選択において消費者が抱えるリスクは低く、コストの内訳さえしっかり示せれば料金比較もしやすいからだ。

 しかし、現在は新しい通信規格である5Gの商用展開を控えている上、さまざまなプレーヤーがIoTデバイスをさまざまな形で提供しようとしている。ある意味で技術の進歩が再び加速する頃合いでもある。

 そういう時期だからこそ、マンデル氏は「消費者にとって一番受け入れやすいのは通信と端末のセットプランである」とする。

 セット販売(セットプラン)は、料金が分かりづらくなるというデメリットはあるものの、新しい通信規格や新たなサービスの普及を加速した面も否定はできない。マンデル氏はデバイスと一体提供する前提に立ったIoTサービスが少なくないことも鑑みて、分離プランの強制が新技術への接触・移行機会を減らし、5G普及の妨げとなることに懸念を抱いているものと思われる。

端末購入補助の禁止:RMNがむしろ不利に?

 海外においてモバイル通信料金が「安い」とされる国・地域は、MNO(自ら通信ネットワークを構築するキャリア)が4社体制であることが多い。

 日本でも、RMNが2019年10月に4社目のMNOとしてサービスを開始する予定であることから、MNOの通信料金の低廉化が進むとの期待もある。マンデル氏も「料金を下げるのに一番効果的なのは“競争”。3キャリアよりも4キャリアの方が良い(値下げ効果がある)」と語る。

 ただ、4番目のキャリアは後発ゆえにインフラ面で先行キャリアよりも不利な戦いを強いられる。インフラ投資をするためには契約者数(≒収入)を増やす必要があるが、そのためには料金面やサービス面で特色を出さなくてはならない。

 一番分かりやすいのは料金面での戦いだが、マンデル氏は「端末の購入補助金を禁止すると、RMNがユーザーを獲得するためのツールの1つを奪われることになる」と警告している。端末の購入補助を禁止すると、新規MNOが既存MNO以上に苦しい戦いを強いられる可能性を示唆しているのだ。

2/3ページ

最終更新:3/14(木) 6:30
ITmedia Mobile

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事