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【コラム】主流政党が極端扇動家と手を握れば民主主義崩壊する=韓国(1)

3/14(木) 17:18配信

中央日報日本語版

米国からロシア、トルコからハンガリー、ベネズエラからフィリピン、英国からポーランドまで、世界各地で民主主義が異常兆候を見せている。大衆の人気に迎合する扇動家型政治家が勢力を伸ばし、「ストロングマン」と呼ばれる新権威主義的指導者が増えている。白黒論理で敵味方を分けて相手側に怒りの矢を放ち、それで票を集めるポピュリスト政治家が随所で力を強めている。相手を正当な競争者と認めない政治的両極化現象が深まり、対話と妥協に基づいた民主主義が機能不全症状を示しているところも多い。情報通信技術(ICT)の発展が政府と国民の円滑な疎通に寄与するのではなく、かえって邪魔する逆説も現れている。共和主義と自由主義に基づく自由民主主義は危機を迎えたのか。

英国時事週刊誌「エコノミスト」の付設機関であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit、EIU)は毎年世界の「民主主義指数(Democracy Index)」を発表している。選挙過程と多元性、政府機能、政治文化、政治参加、人権擁護など5項目で各国の民主主義実態を評価し、10点満点基準として指数を算定している。世界民主主義の健康状態をチェックする例年検診報告書といえる。

超小型ミニ国家を除き、世界167カ国を対象に実施されるこの検診(EIU指数)で、8点以上の点数がついた国は「完全な民主主義」国家に分類される。非の打ちどころがない水準の健康な民主主義を実現している国々だ。6点以上8点未満は「欠陥のある民主主義」国家と評価される。問題がなくはないが、おおよ民主主義国家といっても遜色のない国々だ。EIU指数で最低6点以上の点数があってこそ民主主義国家をいうことができる。これに至らない国々は「混合政治体制」(4~6点)あるいは「独裁政治体制」(4点以下)国家という不名誉のレッテルが張られる。

2018年EIU報告書によると、完全な民主主義を実現している国は20カ国だ。EIUが民主主義指数を初めて発表した2006年当時の27カ国に比べると7カ国減った。欠陥のある民主主義国家は55カ国で、2006年(54カ国)とほぼ同じだ。その2つを合わせた民主主義国家が12年前81カ国から昨年75カ国に減ったのは事実だが、それだけでは世界民主主義が危機に陥ったと話すには説得力が足りないように思う。依然として世界の半分に近い46%の国々が民主主義を実現しており、人口で計算しても世界の人口のほぼ半分水準である48%が民主主義の恩恵を享受しているためだ。事実上の独裁国家といえる「独裁政治体制」の数は2006年(54カ月)も昨年(53カ国)もほぼ変動がない。過去約10年間に独裁政治体制国家が突然大きく増えたわけでもなく、民主主義国家が大きく減ったわけでもない。少なくとも数値だけを見れば世界民主主義が危機だと話す根拠は貧弱だ。

それでも世界民主主義の健康状態を心配する声が大きくなっているのはどうしてだろうか。民主主義研究の権威者で、ハーバード大学政治学科教授のスティーブン・レビツキー(Steven Levitsky)とダニエル・ジブラット(Daniel Ziblatt)はドナルド・トランプのせいだと断言する。2人は昨年出版した『民主主義の死に方 - 二極化する政治が招く独裁への道』という本の中で「米国歴史上、初めて公職経験が全くなく、憲法が保障している基本権を尊重する意志が見えない、独断的指向が顕著な人物が大統領に選出された」とし「いま米国社会は世界で最も歴史が深く、最も成功的な民主主義の衰退と崩壊を経験している」と指摘した。世界民主主義の模範であり、砦もしくは伝導師だった米国の民主主義に穴が空けられて、世界民主主義危機論に火がついたということだ。

実際、トランプの登場はEIU指数にも影響を及ぼした。トランプが大統領に当選した2016年、EIU民主主義指数の順位で米国は21位(7.98)を記録して「完全な民主主義国家」から「欠陥のある民主主義国家」に降格された。昨年はさらにランクを落として25位(7.96)となった。韓国や日本よりも低い順位だ。2006年の第1回調査の時に17位(8.22)だったことと比べれば何と8ランクも順位が落ちたことになる。

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