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花粉症の根治目指す治療 今開始はNG

3/14(木) 11:30配信

Medical Note

花粉症は、現在では国民病といわれるほど患者数が多いとされています。鼻汁、くしゃみ、鼻づまりという3大症状に加え、眼のかゆみや充血を起こすことが多く、症状がひどくなると睡眠障害や学習・仕事の能率低下などを引き起こし、生活の質を低下させることが知られています。今まさに、花粉シーズン真っただ中。従来は症状を抑えるだけの対症療法のみでしたが、最近になって根治も目指せる薬が登場しました。でも、治療には少し注意が必要です。【大阪はびきの医療センター耳鼻咽喉科主任部長・川島佳代子/メディカルノートNEWS&JOURNAL】

◇「花粉の季節が怖い」男性の問い合わせ

「毎年花粉症の時期が恐ろしいです。鼻がつまって、眼がかゆくてたまらないです。薬を飲んでもあまり効きません」。40代男性、Aさんは花粉症でとても困っているのでなんとかしてほしいと訴えました。毎年3月、4月は鼻がつまって眠れなくなり、反動で日中に眠気を催すとのことでした。

「根本的に治す方法はありませんか? 先日テレビで『舌下免疫療法』という治療法の特集を見ました。それだと花粉症が治る可能性があるんですよね。ぜひ今日からでもお願いします」

Aさんが見たという舌下免疫療法は、確かに花粉症が根治する可能性があります。しかし、残念ながら花粉症がつらい時期に始めることはできないのです。

◇従来の薬では根治できない

現在、花粉症に対しては薬物療法が主となっています。使われる薬は、花粉が体内に入った時に免疫反応で放出されくしゃみなどを引き起こす化学物質をブロックし、体に作用するのを抑制しています。一方で、免疫反応そのものを変えることはできないため、根本的な治療にはつながらないのです。

これに対し、舌下免疫療法を含む「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」は、アレルギー体質そのものを変える治療法です。どのような治療かを理解するためにまず、花粉症の仕組みを知っておきましょう。

◇花粉症のメカニズム

そもそも花粉症とは、決まった季節におこるアレルギー性鼻炎のことです。

私たちの体は、花粉などの異物が体内に侵入すると、まずそれを受け入れるかどうかを考えます。そして、受け入れがたい異物=アレルギー物質(アレルゲン)であると判断すると、対抗するための「抗体」をつくり粘膜などにある細胞に結合します。この準備段階を「感作」と言います。感作された状態でふたたび花粉が入ってくると、異物に反応して抗体が結合した細胞から「ヒスタミン」などの化学伝達物質が放出され、神経や血管、分泌腺に働きかけ、くしゃみ、鼻水、涙、鼻づまりといった症状が出るのです。こうした免疫システムの過剰反応をアレルギーといいます。代表的なアレルゲンとしてはスギやヒノキなど植物の花粉、ダニなどがあります。

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最終更新:3/14(木) 11:30
Medical Note

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