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花粉症の根治目指す治療 今開始はNG

3/14(木) 11:30配信

Medical Note

◇アレルギー体質変える「アレルゲン免疫療法」

従来の薬物治療が対症療法であるのに対し、体質そのものを変えるのがアレルゲン免疫療法です。アレルゲンを体内に投与し、体を慣らすことで症状を和らげることを目指します。加えて、従来の薬の減量や、花粉による小児アレルギー性鼻炎の患者さんでは気管支ぜんそくの発症予防なども期待できます。アレルギーのある人は反応する抗原が増えていく(アレルギーの対象が増える)傾向がありますが、この治療を受けると抑制される効果も認められています。海外の研究では、治療を終了してからも効果が持続することが報告されています。

この治療法はもともと、アレルゲンを皮下に注射する方法で行われていました。その後1980年代から海外で、アレルゲンを舌の下に投与する治療法が行われるようになりました。これが「舌下免疫療法」です。皮下注射よりも有効性と安全性に優れ、自宅でもできるといったメリットがあります。

日本でも2014年に保険適応になり4シーズンが経過しました。この間に発表された複数の論文で、スギ舌下免疫療法によって症状の改善がもたらされたと報告されています。

当初、薬は液剤でしたが、昨年から錠剤による治療も保険適応になりました。錠剤は持ち運びが簡単で、常温で保存でき、有効性も液剤より高い結果が示されました。そのため新たにスギの舌下免疫療法を開始する際は、錠剤が推奨されています。

◇今のところ対象はスギ花粉とダニだけ

ここまで読んで「そんなにいい治療法があるなら今すぐにでも始めたい」と思った方もいるかもしれません。ですが、舌下免疫療法を始められるのは花粉飛散シーズンが終わってからなのです。なぜかというと、花粉が飛んでいる時は、アレルゲンに対する体の反応性が過敏になっているために副作用が起こりやすくなると考えられているからです。

また、舌下免疫療法で治療できるのは、日本では今のところスギ花粉とダニアレルギーだけです。

具体的にはどのように治療するのでしょうか。

スギ花粉以外のアレルゲンに反応している場合には治療はできません。ですから最初にするのが、アレルギーの原因が本当にスギ花粉かどうかの確認です。血液検査や皮膚の検査でスギ花粉症と診断されたら治療スタート。投与方法は舌の下に錠剤を数分置き、完全に溶けた後に飲みこみます。アレルゲンの量は少量からスタートし、徐々に増量します。

万が一、重篤な副作用が起こった場合でも対処できるよう、初回は病院で服用後30分様子をみます。開始当初は口の中のかゆみや腫れなどが起こりますが、1カ月程度で治まります。理論的にはアナフィラキシーといった全身的な副作用が起こる可能性がありますが、頻度は非常にまれといわれています。

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最終更新:3/14(木) 11:30
Medical Note

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