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あれから8年…、福島原発は今 進む除染、進まぬ“廃炉”今後も続く長い道

3/14(木) 16:09配信

FNN PRIME

一匹のイノシシが…

廃炉に向けての苦闘が続く福島を取材すると、バスの車窓に見えてきたのは、「帰還困難区域」の文字。
福島第1原発に隣接するこの地域は、事故から8年たった今も放射線量が高いため、立ち入りが厳しく制限されていて、いまだ人が住むことはできない。

【写真】あれから8年 福島原発の現実

行き交う車以外、無人の街中で見かけたのは、1匹のイノシシだけ。

一方で、1年ぶりに訪れた福島第1原発にはある変化が見られた。

2018年2月にこの場所を取材した時は、マスクや手袋などの装備が必要だったが、11月からは必要なくなった。現在は除染が進み、原発構内の9割以上で防護服は必要ない。

放射線量は東京都の6,300倍以上

3号機を見てみると、水素爆発のすさまじさ、その威力が生々しく残っていた。
除染が進む一方で、建屋前の放射線量は、いまだ330マイクロシーベルト(μSv)を超える。
これは同じ日の東京都の6,300倍以上で、放射線量はいまだに高いまま。

これが、廃炉に向けた作業を阻んでいる。

また、2号機の手前、白い120メートルほどある排気塔は、事故当時には排気をする「ベント」という作業が行われ、現在もこの根元付近は1,000ミリシーベルト(mSv)と、非常に高い線量を持っている。

水素爆発の影響で損傷したほか、事故当時、この排気塔を通じて、放射性物質を含む蒸気が放出され高い濃度で汚染されたことから、保守作業は今も手付かずのまま。
東京電力は、遠隔操作ができる装置をクレーンでつり上げ、5月から鉄塔の上から順次切断して解体していく予定だ。

1号機から3号機まであわせたデブリの総量は880トン

作業を阻む高い放射線。
中でも最大の課題とされているのが、溶け落ちた核燃料、燃料デブリの取り出し。

現在、1号機から3号機まであわせたデブリの総量は、880トンにのぼると推計されている。
先日公開された、2号機の原子炉直下の映像では、金属と核燃料が混ざり合った燃料デブリとみられる堆積物が、床一面を覆う光景が広がっていた。

しかし、この場所の放射線量は、1時間あたり7.6シーベルトと、人が1時間で死亡するほど非常に高いまま。

2月にはロボットによる2号機の核燃料デブリへの接触調査が行われた。

調査では、初めてデブリとみられる堆積物に接触し、一部は機械でつかんだり、動かせることがわかった。
東京電力は、2019年度中に、2号機で少量のデブリを回収し解析などを行い、取り出し方法を決める見通し。

デブリに初めてロボットで接触するという大きなステップを成し遂げたが、取り出しへの道筋は見えていない。

今後の作業工程について、東京電力 福島第1廃炉推進カンパニー・八木秀樹氏は、
「デブリの取り出し開始は2021年以内としている。デブリを最終的にどうするかは決まっていないが、当面は保管容器に入れて保管していくことになる。そこから廃炉は30~40年としている」と話す。
現場周辺の除染作業が進んでいるのは事実だが、廃炉までの道のりが長いのもまた事実。
その間に事故の記憶が風化しないことを願いたい。
(「プライムニュース α」3月11日放送分)

最終更新:3/14(木) 16:09
FNN PRIME

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