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この「世界最大のテレビ画面」が映画『ファースト・マン』に臨場感あるVFXをもたらした

3/14(木) 22:10配信

ギズモード・ジャパン

クロマキー合成を使わない、フライト・シュミレーターですね。

たとえば映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』や『レディ・プレイヤー1』では、どこにVFXが使われているのかは何となくわかりますよね。ですが人類初の月面着陸を描いた映画『ファースト・マン』は、ドキュメンタリーのように撮影されたので、広範囲の視覚効果はシームレスで見えないものでなければなりませんでした。

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これを実現するため、VFXのスタジオDNEGは、これまでに見たことのない巨大スクリーンを構築し、そのご必要とされる最小限のポストプロダクション作業で、多くの飛行シーンの撮影を可能にしたのでした。

タネ明かし

これまで一度も航空機を操縦したことのない俳優が、操縦シーンを撮らなければいけない場合、大体はグリーンバックで合成され、後ろに雲が流れる背景に差し替えられます。ですがこの『ファースト・マン』では、デジタル効果監督トリスタン・マイルズ氏がBBCに対し、「デイミアン・チャゼル監督がX-15の飛行のようなシーンをカメラで撮りたがったので、音響舞台に巨大なLEDスクリーンを組み、航空機の模型と俳優を支えるシミュレーターの背後に、動く雲のアニメーションを映し出すことにした」と明かしたのでした。

出演者の背後に映像を投影する技法は、何十年もの間、だいたい自動車の運転シーンで使用されてきた「スクリーン・プロセス」または「オプティカル合成」というトリックです。ですが『ファースト・マン』では、実際の飛行映像と区別できないほど洗練されています。それに窓やヘルメットに映り込む反射が正確なため、撮影後の編集作業も最小限で済むのです。

アポロの打ち上げシーンを編集

DNEGは制作中、NASAからのアポロ発射の記録映像にアクセスすることができ、実際の打ち上げシーンを映画に採用することができました。しかしオリジナルの映像は正方形のフィルムで撮られていたため、CGで炎や煙の動きをシミュレートし、現代の縦横比に修正する必要があったのでした。

おそらくゼロからレンダリングするのではなく、既存の複雑な形状を編集するほうが面倒だったんじゃないかなと思いますが……その甲斐あって、映画に信憑性が増し、アカデミー視覚効果賞をゲットするに至ったのでした。

この映画を見る機会があれば、背景にこういうVFXがあったことを念頭に楽しんでみるのも良いでしょうね。

Source: DNEG, YouTube via ART OF VFX

Andrew Liszewski - Gizmodo io9 [原文] ( 岡本玄介 )

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