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分離プランで“端末割引”はどうなる?/接続料によらない仕組みとは?

3/15(金) 19:15配信

ITmedia Mobile

 テレコムサービス協会のMVNO委員会が主催した「モバイルフォーラム2019 ~2030年を見据えた新たな競争ルールとMVNOの果たすべき役割~」では、「激動のモバイル業界 MVNOの発展に必要な競争環境とは?」と題して関係者によるパネルディスカッションが行われた。

MNOの値下げでMVNOにどんな影響があるか

 モデレータはITmedia Mobile編集長の田中聡が担当。パネリストはジャーナリストの石川温氏、野村総合研究所 パートナーの北俊一氏、MVNO委員会副委員長でケイ・オプティコム 執行役員の浜田誠一郎氏の3人だ。

 パネルディスカッションは、(1)モバイル市場の競争環境、(2)中古市場の変化がもたらすもの、(3)MVNOと新技術の関係、という3つのテーマで行われた。

矛盾が多い競争環境

 大手キャリアが分離プランを導入し、料金を値下げすると、MVNOにも大きな影響があると予想される。

 浜田氏は「影響が大きいのはどのMVNOも同じ」とし、どのように料金を下げるか具体的な施策がまだ不明なので「注視している」と答えるにとどめた。また「サービスや値付け、売り方を考えていかなくてはいけない。気が気ではない」と危機感を募らせた。

 現在、コンシューマー向けのMVNOの契約数が伸び悩んでいる現状に対しても、「MNO自身の低価格メニューやサブブランド、MNOグループのMVNOのあおりを食らっているのは事実。そこにどう対応していくかは、お約束の発言だが、付加価値を磨いていくこと」(浜田氏)と語る一方、接続料に注目しており、「接続料が動くのであれば、それを利用者に還元して対抗していくことを考えている」としている。

 石川氏も「多くのユーザーがMNOは値下げすると思っているので、格安スマホが選択肢からなくなりつつある」と分析し、値下げの影響は大きいと見る。MVNOが対抗してさらに値下げをすることになった場合、「本当に経営が成り立つのか」と危惧した。「ユーザーがようやく格安スマホという選択肢に気が付き、2年縛りが終わったらMVNOに乗り換えようと思い始めたところに、“2割から4割値下げ”でドコモに目が向いてしまった。なぜこんなことをしたのかというのが正直な感想」(石川氏)と語った。

 MNOの値下げに応じて接続料が変わるかとの質問に対し、北氏は「値下げに応じて接続料が下がる美しい構造になっていればいいが、必ずしもそういう形になっていない」と回答。石川氏の疑問に対しては、「ドコモも値下げしたくないんじゃないかと思うが、言ってしまったので今さら取り消せない」と現状を認め、「価格を追求するMVNOがいてもいいが、新しい付加価値を付けていくことが重要」とし、ユーザーのロイヤリティーを上げていくmineoの戦略を「世界的に見ても非常にユニーク」な例として挙げた。

 MNOに値下げを求めた政府の言動に対しては、「スイッチングコストを下げるなど、MVNOが成長するためにさまざまなことをやってきたが、多くの国民がMNOから動かない。MVNOを育て、MVNOにスイッチすることで全体の通信料金を下げようという施策に限界を感じて、こうなったらMNO自身に値下げしてもらうしかないというロジックが官邸の方に働いた」(北氏)と説明した。

 それに対し、石川氏は「長期ユーザーが優遇されるとユーザーは同じキャリアから動かない。競争させたいのに長期ユーザーを優遇するのは明らかに矛盾している。航空会社のように、たくさん使う人が優遇されるべき。矛盾が足を引っ張ってうまく回っていない気がする」(石川氏)と疑問を呈した。

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最終更新:3/15(金) 19:15
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