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ビットコイン交換所CEOに一部無罪 猶予付き判決 東京地裁

3/15(金) 10:55配信

産経新聞

 仮想通貨「ビットコイン」(BTC)交換所運営会社「マウントゴックス」(東京、民事再生手続き中)のBTC消失事件をめぐり、取引システムで口座残高を水増ししたとする私電磁的記録不正作出・同供用罪などに問われた最高経営責任者(CEO)、マルク・カルプレス被告(33)の判決公判が15日、東京地裁で開かれた。中山大行(ともゆき)裁判長は懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役10年)を言い渡した。顧客の資金を着服したとする業務上横領罪は無罪とした。

 平成29年7月の初公判でカルプレス被告は「神に誓って無実」と述べていた。

 中山裁判長は、顧客からの預かり金は「同社に帰属する」と認定。検察側は、着服金が会社の資金だとしても関連会社の投資や天蓋付きベッドの購入費などに充てるのは業務上横領罪に当たると主張していたが、判決は、投資などは「経営判断」とし、ベッド購入費などは被告が後に返済する同社からの「貸付金」だったと認定した。

 一方、私電磁的記録不正作出・同供用罪については、資金繰りの悪化を危惧し、架空のコインを売却する目的で口座残高を水増しする不正処理だったと指摘。「顧客の信頼を大きく害するもので、ITエンジニアとしての知識や権限を乱用した」と批判した。

 判決読み上げ後、中山裁判長が理解したか問うとカルプレス被告は「わかりました」と日本語で答えた。

 判決によると、カルプレス被告は25年2~9月、BTC取引システムの自らの口座残高を水増しした。

 マウント社は26年2月に経営破綻。消失した約65万BTC分について「外部からのサイバー攻撃で流出した可能性がある」と説明していた。同年から破産手続きが進められていたが、BTCの価格が破産当時より大幅に上昇し、地裁が30年6月、破産手続きを中止。債権者がBTCでも配当を受け取れる民事再生手続きの開始を決定した。

 今年4月に再生計画案が地裁に提出される予定で、関係者によると今年の秋以降に弁済が始まるとみられる。

■ビットコイン事件の経過

 平成23年8月9日 マルク・カルプレス被告が取引所運営会社「MTGOX」設立

 26年2月25日 取引所のサイトがアクセス不能に

 28日 MTGOXが東京地裁に民事再生法の適用申請。約85万BTC(ビットコインの単位)の消失公表

 4月24日 東京地裁がMTGOXの破産手続き開始を決定

 27年8月1日 警視庁が私電磁的記録不正作出・同供用容疑でカルプレス被告を逮捕

 21日 業務上横領容疑で再逮捕

 9月11日 東京地検が業務上横領などの罪で起訴。その後、2回追起訴

 29年7月11日 東京地裁の初公判で起訴内容を否認

 30年6月22日 東京地裁がMTGOXの民事再生手続き開始を決定

 12月12日 検察側が懲役10年求刑

 31年3月15日 東京地裁が懲役2年6月、執行猶予4年の判決。業務上横領罪は無罪

最終更新:3/15(金) 18:13
産経新聞

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