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日銀総裁「2%目標変更なし」 内需堅調シナリオ変わらず

3/15(金) 21:37配信

産経新聞

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は15日の記者会見で、国内経済は「緩やかに拡大している」との見通しを何度も強調した。一方で輸出と生産は、海外経済の減速の影響がみられるとし、2%の物価上昇目標の達成まで大規模な金融緩和を維持する方針を改めて示した。黒田氏の発言から金融政策や国内外の経済の展望を探る。(西村利也)

 「日本経済の内需は堅調で、先行きも所得と支出の好循環が続くメインシナリオは変わらない」

 日銀は、中国政府が打ち出した積極的な財政政策が海外経済の回復を後押しし、国内景気も今年後半にかけて持ち直すとみる。景気指標は年央まで鈍化する恐れが強いが、中長期的な景気の拡大基調に変化はないとの認識だ。

 ただ、米中貿易摩擦の悪化や、英国が欧州連合(EU)から「合意なき離脱」をすれば、世界経済に一層の下方圧力が加わりかねない。これまで底堅く推移してきた国内の設備投資や消費を維持できるかが今後の焦点になりそうだ。

 「マイナス金利による金融機関の収益への影響は承知しているが、配慮もしている」

 金融機関が大規模緩和の副作用として是正を求める貸し出し業務の利ざや(貸出金利と預金金利の差)縮小は、過去20年来の傾向だ。日銀内では、黒田氏が平成25年4月に打ち出した「異次元緩和」は直接的な引き金とはなっておらず、むしろ、景気回復による倒産の減少で貸し倒れ引当金の戻し入れ益など銀行経営にプラス面も多かったとの認識が強い。

 金融機関の収益力悪化は人口減による地域経済の縮小など構造的な問題による部分も大きい。収益力強化には、独占禁止法の適用緩和による地方銀行の業界再編の後押しなど、政府の積極的な対応が不可欠だ。

 「2%の物価安定目標を変更する必要があるとか、変更が好ましいとは思っていない」

 ここ数日の間に、麻生太郎財務相や全国銀行協会の藤原弘治会長が、日銀は目標とする2%の物価上昇に「固執すべきではない」との趣旨の発言をしている。背景には、目標にこだわり大規模緩和があまりに長引けば、地方銀行などの経営体力の低下がさらに深刻化するとの懸念がある。

 足元の物価は1%未満で、2%目標の達成にはほど遠い。2%への固執が日銀の施策を縛っているとの指摘もあり、柔軟な対応を求める声が強まりそうだ。

最終更新:3/15(金) 21:37
産経新聞

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