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行政手続き、ネットで完結 法案を閣議決定

3/15(金) 22:10配信

産経新聞

 政府は15日の閣議で、行政手続きの電子化を推進する「デジタル手続き法案」を決定した。転居などの申請や本人確認、手数料申請など行政手続きをオンライン上で完結させることを基本原則とした。ICチップの付いたマイナンバーカードを使った手続きを普及させるため、個人番号を個々に知らせる紙の「通知カード」の廃止も盛り込んだ。

 法案をテコに、政府は普及が一向に進まないマイナンバーカードの利用拡大に向けて巻き返したい考え。最新の交付実績は1641万枚で、総人口の13%にとどまっている。

 菅義偉官房長官は15日の記者会見で「国民生活の利便性向上、経済の生産性向上の機会が妨げられる」と述べ、危機感をあらわにした。

 政府が行政のデジタル化を急ぐのは、将来の人口減少に備え、官民問わず業務を効率化して生産性を上げなければ、国の経済力を維持できないためだ。

 昨年1月、各省庁と地方、民間全てのデータの融合を目指す今後5年間の「デジタル・ガバメント実行計画」を策定。2020(平成32)年度をめどに税の申告や法人登記、自動車保有など官民手続きのワンストップ化を打ち出した。健康保険証としての活用や医療情報の提供も開始する予定で、マイナンバーカードの普及は喫緊の課題だ。

 ところが、普及が一向に進まないのは「本人確認の最強ツール」(総務省)であるが故に個人情報流出の懸念を盾に抵抗する風潮が強いためだ。パスポートや運転免許証が「身分証明書」として定着していることもマイナンバーカードを所有するメリットを感じさせない一因になっている。

 海外では米国の社会保障番号や英国の国民保険番号など、全ての国民に固有の番号を振り、税務や社会保障など情報の一元管理は珍しくない。欧州連合(EU)の「一般データ保護規則(GDPR)」など個人情報管理の厳格化を図りながら、国民一人一人のニーズに合わせた公共サービスの提供が徹底している。

 マイナンバーカードの普及率は、先進国なのかどうかのバロメーターにもなる。安倍晋三首相は6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で、欧米とともにデジタル分野での国際ルールづくりを主導したい考えだが、足元でデジタル化への対応が進まなければ首相の指導力に疑問符がつく。(永原慎吾)

最終更新:3/15(金) 23:31
産経新聞

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