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防災で自立促す 墨田区、備蓄物資梱包に障害者が参加

3/15(金) 22:35配信

産経新聞

 災害発生後に必要となる備蓄物資の梱包作業を、障害者に担ってもらう事業が障害者の就労支援などを行う「墨田区立すみだふれあいセンター福祉作業所」(同区緑)で始まった。災害への備えに障害者が参加するのは全国でも例がないといい、防災の観点から障害者の自立を促すことも狙っている。(吉原実)

 この事業は災害支援を行う民間企業「ミューチュアル・エイド・セオリー」(千代田区)が展開する「『ガーディアン72』災害支援プロジェクト」の一環で、墨田区に業務委託する形で実現した。プロジェクトは、災害発生直後の混乱で支援物資が届きにくく、さらに生存確率が下がる目安とされる「72時間」以内に必要となる食糧や衣服などを詰め込んだ段ボール箱「G72ボックス」を、全国の自治体に事前備蓄してもらおうと始まった。

 14日、口永良部島(鹿児島県)から受注したボックスの梱包作業の様子がセンターで公開された。センターに通所している知的障害者と健常者の区職員が梱包作業を行い、作業報酬に差を付けないことが特徴だ。センターの山本雅隆所長は「同じ報酬で働けることに感動した。職員の防災意識を高めることにもつながる」と話した。

 同社の有馬朱美社長は「障害者の方は、個々人で得手不得手があったとしても、仕事をする上では平等だと思ってきた。この取り組みを墨田区から全国に広げていきたい」と力説。基本的には今後も障害者が梱包作業の中心を担っていく方針だとしている。

 災害発生直後は、自衛隊や警察は人命救助を最優先し、自治体職員らはさまざまな機関に応援要請をしつつ各避難所に支援物資を仕分けし配布するため、混乱が生じることも少なくない。こうした負担を軽減するため、同社のボックスは「仕分け不要」に加えて、(1)災害発生後に備蓄倉庫から各避難所に届ける広域対応型(2)首都直下型地震や島嶼部の被災を想定した事前備蓄型-の2パターンを展開。ボックスの一つ一つに番号が振られているため、物資の紛失を防ぐこともできるという。同社は2020年東京五輪・パラリンピックの開催までに、人口の約10%分に相当する1280万セットの事前備蓄を目指している。

最終更新:3/15(金) 22:35
産経新聞

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