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迷走する海賊版対策。違法ダウンロード規制を文化庁が急いだ「本当の理由」

3/15(金) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

著作権を侵害しているコンテンツのダウンロードを違法とする、著作権法の改正案をめぐって自民党内の調整が本格化していると報じられている。3月10日朝のNHK NEWS WEBなどが報じている。

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権利者の許可なくインターネットにアップロードされたと知りながら、マンガや論文などの著作物をダウンロードする行為を違法とするのが改正案の柱だ。

この改正案に対して、権利者であるマンガ家らから「範囲の広すぎる規制は、インターネット利用の萎縮を招く」と慎重な議論を求める声が上がっている。違法なコンテンツを含む画面を、スマホやPCに保存するスクリーンショットだけでも、場合によっては違法になる可能性があるためだ。

今回の法改正は、被害が深刻化している海賊版マンガのサイト対策をめぐる議論から浮上したものだ。当初、政府は海賊版サイトへの対策として接続を遮断する「サイトブロッキング」を打ち出したが、「通信の秘密を侵害する」との批判が高まり、見送った。

安倍晋三首相がダウンロード違法化に絡む項目を削除するよう指示したとの複数の新聞社の報道もあるが、そうした報道の通り事態が進むのであれば、海賊版サイトへの対応がつまづくのは2度目になる。

ネットによる情報収集を阻害せず、実効性のある海賊版対策の手立てはないのだろうか。

改正議論の元は「漫画村」

著作権法改正をめぐる議論の元をたどると、違法サイト「漫画村」に行き着く。以前から、さまざまな形で海賊版のマンガはネット上に出回っていたが被害は散発的だった。

2、3年ほど前から、幅広い品ぞろえのマンガを「無料」でダウンロードできる違法サイトが登場し、被害は一気に深刻化した。被害額は、漫画村だけで3000億円にのぼったとされる(コンテンツ海外流通促進機構[CODA]による流通額ベースの試算)。

こうした違法サイトへの対策として、2018年4月に政府が緊急的な措置として打ち出したのが、プロバイダが接続を遮断するサイトブロッキングだった。

しかしブロッキングは、インターネットへの自由なアクセスを阻害する措置であるとして、法律やITの専門家らから批判の声が上がった。憲法で保障された「通信の秘密」を侵害するとの声も出た。

こうした流れの中で、ブロッキングに代わる措置として浮上したのが、著作権法改正だった。

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最終更新:3/15(金) 12:10
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