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竜の叫びを耳にしたか?ナゴヤ球場で23年ぶりの1軍戦に沸いた観戦コラム

3/15(金) 10:10配信

CBCテレビ

屋外球場の魅力を満喫

3000枚ほど発売されたチケットは事前にあっという間の完売。それを手にしたファンがスタンドでゲームを見守った。
まず打球音である。鳴り物入り応援に包まれてのドーム内ではなかなか聞くことができない、いわゆる「カキーン」という響きである。その音の強弱によって、スタンドからは打球の行方が瞬時に分かる。忘れていた感覚である。
そして頬に優しい早春の風。雨上がりで花粉が沢山混じっていることを承知しながらも、その心地よさの前では思わずマスクを外してしまう。屋外球場はこうだったな、と多くのファンが思い出したはずだった。

記念すべきゲームを楽しんだファン

試合で印象に残ったシーンは、しかしいずれも相手チーム・横浜DeNAベイスターズだった。ドラフト1位ルーキー上茶谷大河投手の見事なピッチング、そしてファウルフライだと思い込み1塁への全力疾走を怠った野手を即刻交代させたアレックス・ラミレス監督の厳しい采配には恐れ入った。
一方のドラゴンズは先発・大野雄大投手の復活を感じさせる投球以外はほとんどいいところがなく、5対0で敗れた。それでも、ドラゴンズ側のスタンドに陣取ったファンはもちろん、ほとんどの観客はゲームセットまで席を立とうとしなかった。それは23年ぶりナゴヤ球場での1軍ゲームをとことん楽しみ、そして名残惜しむかのように。
試合終了後に家路に着く人たちは、皆どこか満足そうだった。東京からやって来た友も「こんなゲームでは『10・8』の悪夢を拭い去れない」と言いながらも観戦を喜んでいた。しかし、それだからこそ、つめかけたファンに対して球団から何か勝ち星以外の“贈り物”を用意することはできなかったのだろうか。

ファンが欲しかった“贈り物”は?

チケットを購入して駆けつけた1ファンとしてわがままを言うことをお許しいただきたい。与田剛監督は「勝ちをファンに見せたかった」とコメントしたが、その与田投手がルーキーで迎えた開幕戦、1990年4月7日に鮮烈なデビューを果たしたのもナゴヤ球場だった。この時の対戦相手もベイスターズ前身の横浜大洋ホエールズ、そして与田投手の剛球を受けた捕手は中村武志・現1軍バッテリーコーチだった。
せっかく往年の与田-中村のバッテリーがベンチにいたのだから、この2人による始球式が見たかった。
それが無理でも、せめてベンチ前で2人がキャッチボールでも披露してくれたのなら、23年ぶりの歳月を噛みしめて球場を訪れたファンにとっては、新たな宝物を土産にできたと思うのだが。
今回は他球場を使用する日程調整の結果、一日だけの特別な開催となったが、それだけ竜党にとっては意義のある大切な大切なオープン戦の1試合だった。持ち越された“贈り物”は、是非シーズンの戦いの中で勝利という形で期待したい。

【CBCテレビ論説室長・北辻利寿】


※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。

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最終更新:3/15(金) 10:24
CBCテレビ

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