ここから本文です

みずほ6800億円の損失。周回遅れのリストラ、やっとスタートラインに?

3/15(金) 11:40配信

THE PAGE

 みずほフィナンシャルグループが2019年3月期決算で6800億円もの巨額損失を計上することになりました。同社では損失について構造改革のための費用と説明していますが、事情は少々異なるようです。

 同社はこれまで2019年3月期の業績について5700億円の黒字としてきましたが、約9割減の800億円に下方修正します。大幅減益となった最大の理由は、店舗の統廃合などリストラ費用や、新システムの費用を一気に計上したことです。同社では今回の損失計上について「前に進むための構造改革」であることを強調しており、キャッシュレス化など新しいフェーズに対応していく意向です。

 確かにリストラ費用やシステム費用の計上は、身軽になるための手法であり、将来を見据えたものであることに違いはありませんが、同社の場合には必ずしもそうとは言い切れない部分があります。それはライバルであるメガバンク2行と比較して、経営のスリム化が遅れに遅れてきたという事情があるからです。

 同社の中核企業であるみずほ銀行は、2002年に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が合併して出来上がりました。三菱UFJフィナンシャル・グループも三井住友フィナンシャルグループも合併を経験していますが、みずほの場合には旧3行の縄張り意識が極めて強く、店舗の統廃合は他の2行と比較するとスムーズには進みませんでした。

 新会社の経営においてもっとも足を引っ張ったのがシステム統合で、銀行業務の中核を担うシステムについても、仕様の異なる旧3行のシステムを併存させてきました。

 他行との業績差が拡大してきたことから同行はとうとう重い腰を上げ、7月にようやく新システムが稼働する予定となっています。

 つまり同行のリストラは周回遅れという状況であり、今回の損失計上でようやく他の2行と同じスタートラインに立ったというのが現実とみてよいでしょう。

 銀行ビジネスを取り巻く環境は激変しており、キャッシュレス対応やAI化などを急ピッチで進めていかなければ、銀行は生き残ることが難しいとされています。今回はあくまで損失を計上しただけですから、同社が今後、どのようなビジネスをしていくのか方向性が示されたわけではありません。同社の今後の戦略について市場の注目が集まっています。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/15(金) 11:40
THE PAGE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事