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帝王ゴルフに最も近づいた新型マツダ3。課題はエンジンパワーや次世代インターフェース

3/15(金) 8:01配信

carview!

ゴルフを上回るインテリア、素晴らしいシート

新型のインテリアはダッシュボードやコンソールなど広い領域で表面加工を施した高品質プラスチックを使用。例えばドアの内張上部はマツダがソフトな素材を使っているのに対してゴルフはハードプラスチックで済ませている。VWのこうした傾向はBMW時代に「コストキラー」で名を馳せたヘルベルト・ディースが社長に就任してから始まったとされる。昨年アウト・モーター・ウント・シュポルト誌が「ミニ」とT-Rocを比較テストした際にも、「クオリティの項目」でミニに及ばなかった。ひょっとするとマツダ3にとって今秋に登場する「ゴルフ VIII」はチャンスかもしれない。

残念なことに正面のメーター類はまだアナログで、タッチスクリーンはもちろん音声入力なども備わらず、ダッシュボード上の8.8インチモニターに表示されるマルチメディアのコントロールはコマンドダイヤルで行う。救いは画質が鮮明なことと、操作系の仕上がりが素晴らしく、操作感触が心地よい点である。

走り出して数分で分かったのは、マツダが人間工学から人体構造までに及ぶ解析を行ったシートの仕立てと形状が素晴らしいことだ。芯の形状がしっかりしており、表面が優しく体を包むと同時に、シャシーと一体になってドライバーに正しい姿勢を取らせる。その成果は、66マイルに渡ってワイディングロードが続くハリウッド郊外のアンヘレス・クレスト・ハイウェイ(英語読みではアンジェレス・クレスト)で鮮明になった。ここは現地のメーカーや自動車メディアが公道テストに使っている。

次世代インターフェースとエンジンパワーが弱点

試乗したのは122psと213Nmを発生する4気筒2.0Lと6速MTを搭載した欧州仕様のハッチバックである。24Vのベルト駆動のスタータージェネレーターが装備され、マイルドハイブリッドの機能を果たす。アイドルストップからのスムースな再スタート、滑らかなシフトチェンジの他、エンジンのトルクもサポートする。

はっきり言って残念なのは、アンダーパワーな点で、アップダウンに富んだこのワインディングロードでは、スポーティカーに太刀打ちするためには頻繁なシフトダウンが必要になってくる。しかし、全域に渡って均一で軽い操舵力と、路面からのインフォメーションがしっかりと伝わってくるステアリングのお陰で、コーナではむしろ追い掛ける側に立つこともできた。

短時間の試乗で得た結論だが、デザイン、品質、シャシーの素直さなどで、肯定的な意味で“ジャパン・ゴルフ”、つまりゴルフにもっとも近いところにいる存在であることが確認された。

こうした魅力(デザインや品質、シャシー性能)はアメリカで成功しているトヨタやホンダでの開発ではプライオリティが低いために、「カローラ」や「シビック」が欧州へ持ち込まれるとボコボコにされるわけである。マツダの欧州、特にドイツにおける成功はそこにある。昨年の成績は6万7387台で、日本メーカーとしてはトヨタに次ぐ2位、オーバーオールでも15位に入っている。

マツダ3の弱点はアンダーパワーだ(試乗モデルに関する限り)。「走るとその真価が分かる。それも走れば走るほど、開発エンジニアの思いが伝わってくる」のであれば、もっと走りを楽しませてほしい。そのためにはもう少しパワーで面白さを演出してほしいのだ。

また、マルチメディア/HMIシステムも課題である。今後、次期ゴルフやFF化された次期「BMW 1シリーズ(F40)」など続々と登場するコンパクトセグメントの中で、タッチパッドやボイスコントロールを持たないマツダ3は半歩前進のように見えてしまう可能性がある。

この点は、フェイスリフトで如何にHMI、ユーザーインターフェイスの進化を見せるかに掛かってくると思う。

レポート:木村 好宏

スペック

【 スカイアクティブG 2.0 Mハイブリッド(ハッチバック・欧州仕様) 】
全長×全幅×全高=4460×1795×1435mm
駆動方式=FF
エンジン=2.0L 直列4気筒DOHC直噴ガソリン
最高出力=90kW(122ps)/6000rpm
最大トルク=213Nm/4000rpm
トランスミッション=6速MT
使用燃料=レギュラー
EPA複合燃費=15.9km/L
サスペンション=前:マクファーソンストラット式
        後:トーションビーム式
タイヤサイズ:前後:215/45R18
※すべて参考値

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最終更新:3/15(金) 8:01
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