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「継続的な運行の確保」答え出ず議論継続へ 豪雨被災のJR日田彦山線、いまも一部不通

3/15(金) 20:41配信

乗りものニュース

5か月振りに会議開催

 2019年3月15日(金)、福岡市内で第3回日田彦山線復旧会議が開催。鉄道復旧後を見据えての「継続的な運行の確保に関する検討」については課題解決に至らず、結論は先送りになりました。

【グラフ】不通区間の利用者は30年で約8割減少

 日田彦山線は、日豊本線の城野駅(北九州市小倉南区)と久大本線の夜明駅(大分県日田市)を南北に結ぶ全長68.7kmのローカル線です。2017年7月の九州北部豪雨で大きな被害が発生し、現在も南側およそ半分の添田~夜明間29.2kmで不通が続いています。

 会議は、この添田~夜明間を復旧するための方策を検討し、実施するために開催。委員として福岡県の小川 洋知事、大分県の広瀬勝貞知事、東峰村(福岡県)の澁谷博昭村長、添田町(同)の寺西明男町長、日田市の原田啓介市長、JR九州の青柳俊彦社長が、アドバイザーとして国土交通省九州運輸局の下野元也局長が、出席しました。

 会議は2018年10月以来、5か月振りの開催ですが、2019年1月には実務者レベルによる「日田彦山線復旧会議検討会」が開かれています。

 検討会からは、復旧後の路線の継続的な運行確保のため、JR九州が収支改善の目標額として地上設備のメンテナンス費用に相当する1億6000万円/年を提示。一方、沿線自治体が提案した利用促進策は、増収効果の試算が自治体側で2520万円、JR側で380万円で開きがあり、いずれも1億6000万円/年には届かないことが判明したことなどが報告されました。

「鉄道で復旧するための方策」は解決にめど

 今回の会議では、課題のひとつである「鉄道で復旧するための方策に関する検討」について、復旧費が当初の約78億円から、福岡・大分両県の災害復旧事業との調整により約56億円まで低減できたことを委員らが確認。加えて、復旧には鉄道軌道整備法の活用を前提とすることも確約できたといいます。

「鉄道軌道整備法の活用」は、黒字の鉄道会社でも、「復旧費用が被災路線の年間収入以上」「被災路線が過去3年間赤字」「激甚災害など特に大規模な災害」「長期的な運行の確保に関する計画の作成」の4要件を満たせば、国や地方自治体から4分の1ずつの補助を受けられるというものです。なお、JR九州の鉄道事業は2018年3月期の決算で黒字を確保しています。

 もうひとつの課題である「継続的な運行の確保に関する検討」については、JR九州はこれまで路線運営において大幅なコスト削減に努めてきたものの改善には限界があり、1億6000万円/年の収支改善が必要であることを主張。一方、沿線自治体は利用促進策以外の運行への財政支援はできないとの考えで議論は平行線をたどり、課題解決には至りませんでした。

 会議は、引き続き協議が必要である、との結論で終了。4月から5月連休までを期限として、次回の会議が開催される見通しです。

乗りものニュース編集部

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