ここから本文です

「生徒の明るさに救われた」元警察署長、定年後に緑内障患い失明 72歳山田さん盲学校卒業 佐賀

3/15(金) 18:57配信

佐賀新聞

 佐賀県立盲学校で12日、卒業式が行われ、幼稚部から高等部と専攻科の4人が卒業した。4人のうち、専攻科を卒業した山田健一さん(佐賀市)は72歳。盲学校で過ごした3年間の思い出を振り返った。

 元警察官で有田署長などを務めた山田さんは定年退職後の63歳で緑内障を患い、徐々に視力を失った。現在、左目の視力はなく、右もほとんど見えない状態という。戸惑いや不安にさいなまれ、県立盲学校が開く視覚支援相談を受けた。支援を受けて点字を学び始め、1年後に同校専攻科理療科に入学することを決めた。

 3年間東洋医学を学び、「はり」や「あん摩」、「きゅう」の治療に関する知識を身に付けた。教科書の文字は機械で拡大して読み、体のツボなど400語ほどある専門用語を必死に覚えていった。はりの実技では、実際に人体で練習をするが「まっすぐに刺さらなかった」という。

 朝のあいさつ運動やスポーツ大会で学校の子どもたちとの交流も温めた。課外活動では、音楽部に所属。1年目には中学、高等部の生徒と文化祭でステージに立ち、「この年になって初めて触った」というハンドベル演奏を披露した。

 視力を失い、落ち込んでいたが、「盲学校に通い、子どもたちや先生の明るさに救われた。学校に行くのが毎日楽しみだった」。

 卒業式の最後には「盲学校の卒業生という誇りを胸に、それぞれの目標に向かって進んでいきたい」と話した。受験したあん摩マッサージ指圧師とはり師、きゅう師の資格試験に合格すれば、今後自営することを目標にしている。「高齢者同士のふれあいの場など、地域でボランティア活動もしたい」と意気込む山田さんの表情は、明るく輝いていた。

最終更新:3/15(金) 19:06
佐賀新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事