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熊本地震データの論文、不正認定 阪大元准教授が捏造

3/16(土) 1:28配信

朝日新聞デジタル

 大阪大は15日、大学院工学研究科の元准教授が2016年4月の熊本地震の際に地震計で観測したとして公表したデータについて、捏造(ねつぞう)があったとの調査結果を発表した。計5本の論文について、データの捏造や改ざんを認定した。

 不正を認定した論文の一つは、熊本地震の本震の地震波を観測したとして、京都大や産業技術総合研究所の研究者と共同で発表した。ほかの研究機関の観測データを転用するなどの手法がみられ、熊本地震や東日本大震災に関する別の4本の論文でも捏造や改ざんを認定した。阪大はこれらの論文について、出版社や共著者に取り下げの検討を求めたという。

 当初の聞き取りに対して本人は不正を認めなかったが、観測したとされる元データなどは示さなかったという。また、京大と産総研の研究者は、捏造への関与はなかったとした。

 阪大によると、元准教授が関わった計44本の論文について、不正を疑う指摘があった。不正を認定した5本以外に、17本の論文で不正が強く疑われたが、元准教授はすでに亡くなっており、確認できなかったという。

 会見した阪大の八木康史理事は「不正は長期かつ多数にわたって行われ、悪質度は極めて高い。科学研究に対する社会全体の信頼を損なった」と話した。熊本地震を受けて安全対策に関する報告書をまとめた国土交通省の担当者は「修正は必要だが、結論に変更はなく影響は限定的だ」としている。


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 朝日新聞は2016年4月28日付の朝刊社会面(東京・名古屋・西部本社版)と同年9月3日付の夕刊社会面(大阪本社版)、朝日新聞デジタルで、元准教授の観測データを紹介する記事を掲載しました。大阪大の発表を受け、おわびして記事を削除します。

朝日新聞社

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