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NHKも優遇なし 青山祐子アナに「育休中の給与返せ」猛批判の誤解

3/16(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 大橋巨泉さん(2016年死去)は生前、深く考え込みながら「人間が生まれてくる意味は結局、子供を産み育てることなんです」と語っていた。宇宙の真理、平和といった解決不能な事象も、後世の人に答えを託すしかないという意味だった。

 一方、「為せば成る」の米沢藩主・上杉鷹山は人口増こそが富の源泉という考え方で、困窮する藩財政から出産手当金と子だくさん家庭に、児童手当を支給したものだ。

 この先達の考えに逆行した意識が国内で高まっている。退職の意向が明らかになったNHKの青山祐子アナウンサー(46)がネット上で猛批判にさらされているのだ。彼女は12年3月の第1子を皮切りに、17年2月までに4人の子(2男2女)を出産。およそ6年間にわたり産前産後休暇と育児休業を取得し、現在も育休中。批判の多くは「育休中にもらった給与を返還しろ」「公務員ならまだしも民間ではありえない」といった内容。出産自体には賛同を示しつつ、育休制度を悪用しているという見方だ。

 ここで多くの人が誤解しているが、NHKはもちろん、国家公務員や学校の先生に至るまで「育休中に給与は支給されていない」。

「育児休業は子が3歳に達するまで取得可能ですが、その間の俸給は支給されません。退職手当(退職金)も休業期間に応じて減算されます。ちなみに、介護休暇期間中も減額されます」(内閣府官房)

 共済制度で子が1歳まで標準報酬日額の50%が支給されるが、民間でも雇用保険から給料の67%(6カ月以降は50%)の育児休業給付金が出ているのでNHK職員や公務員が特別に優遇されているわけではない。

「つい最近、『子連れ出勤を認める世の中にしたいですね』という新聞記事が炎上したケースがありました。皆さん、口では子育ては大事と言いつつ、30年前のアグネス論争から意識はあまり変わっていないようです。確かに誰かが休めば、その同僚に仕事のシワ寄せがきます。それを迷惑と取るか、子は社会の宝だからと大目に見るかは、個人によって意見は分かれると思います。ただ、今の日本人は少しずつ寛容性が薄れているような気がします」(作家の夏目かをる氏)

 育休を心苦しく思いながら取得しているパパ・ママはまだ多いという。いずれ自分や子が、子育てする立場になるかもしれない。人はどうであれ、おおらかな心を持ちたいものだ。

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