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10年で5cmが60cmに 屋久島生まれアカウミガメ 岩手で見つかる

3/16(土) 11:20配信

毎日新聞

 鹿児島県屋久島町で絶滅危惧種のウミガメ保護に取り組むNPO法人「屋久島うみがめ館」は、2008年に屋久島で放流されたアカウミガメが、岩手県の大槌湾で見つかったことを明らかにした。同館は生態調査のために1999年から計1万256匹の子ガメに個体識別用マイクロチップを埋め込んで放流してきたが、国内で再発見されたのは初めて。「得られたデータは貴重で長年の努力が実った」と喜んでいる。

 見つかったのは、08年8月に屋久島西部の永田浜でふ化した後にマイクロチップ(長さ1センチ、直径1ミリの円柱状)を付けて放流された雌のアカウミガメで、昨年8月に岩手県大槌町沖の大槌湾で定置網に引っかかっていた。ウミガメなどの研究をしている東京大大気海洋研究所・国際沿岸海洋研究センターが保護して、屋久島でチップを埋められたアカウミガメと確認した。

 このアカウミガメはふ化当時、体重16グラム、甲長(こうちょう)(甲羅の長さ)約5センチだったが、約10年で成体となる手前の体重35キロ、甲長約60センチまで育っていた。その後、同センターが発信器を付けて放流し、人工衛星を通じて位置確認できる状態にある。現在は関東の沖合にいるという。

 日本のアカウミガメは太平洋などを回遊して戻ってくるとされているが、成長過程や回遊コースなどの生態は謎が多く、ふ化した浜に帰って産卵するとされる定説もまだ立証されていない。今回見つかったアカウミガメが成体になって産卵できるようになるまでにはまだ10年以上かかる見込みだが、同館の大牟田一美顧問(68)は「成体になって産卵のために屋久島に戻ってきてくれたら定説の立証にもつながってうれしい」と期待を膨らませている。【田中韻】

最終更新:3/16(土) 15:28
毎日新聞

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