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卒業証書、天まで届け! 西与賀小学校、病死の北原君に贈る 「一緒に」門出、同級生ら涙 佐賀

3/16(土) 13:42配信

佐賀新聞

2017年5月、くも膜下出血で帰らぬ人に

 6年生41人が学びやを巣立った15日の西与賀小(佐賀市)の卒業式で、5年生だった2017年5月にくも膜下出血で亡くなった北原駿君=当時(10)=の家族にも、卒業証書が贈られた。先天性の難病を患っていたがサッカーが好きで、クラスの人気者だった駿君。同級生は友情と命の大切さをかみしめ、駿君との思い出を胸に新たな一歩を踏み出した。

難病の多発性関節拘縮症を患う

 駿君は、関節の可動域が狭くなる多発性関節拘縮症を抱えていた。小学校では特別支援学級に籍を置きながら、同級生と同じ教室で学んだ。サッカーJ1サガン鳥栖のファンで、1人でボール遊びをするなどサッカーが大好きだった。大木貴博校長(57)は「何でも挑戦する子。みんなに慕われていた」と、在りし日の駿君を思い起こす。

 5年生の4月下旬、足首の手術をしたが、術後に体調が急変。運動会前の5月中旬には、くも膜下出血に襲われた。同級生は運動会の練習の様子を動画で撮影して駿君を励まし、本番でも「駿君頑張って」と声を合わせた。だが願いは届かず、運動会の4日後に息を引き取った。

「ぼくも幸せ みんなも幸せになあれ」

 15日の卒業式では、42番目の席に、駿君の遺影と、名札を付けたクマのぬいぐるみが置かれた。壇上で色紙に記した文字を見せながら決意を述べた卒業生41人に続き、姉の唯さん(19)が駿君が生前にはがきに書き残した言葉を紹介した。「ぼくも幸せ みんなも幸せになあれ」。涙をこらえながら、子どもたちに希望を託すように語り、卒業証書を受け取った。

〈亡き友の 声援聞こえた 運動会〉

 同級生は駿君が亡くなった後も、集会で駿君が使っていた椅子を並べ続けた。6年生の運動会では「駿君見てる?」と空に向けて手を振った。在校生への「お別れの言葉」で、自作の俳句〈亡き友の 声援聞こえた 運動会〉を読み上げた西村幸妃さん(12)は「駿君と一緒に卒業できてよかった」と涙を拭いた。

 卒業式には、唯さんをはじめ家族4人で出席した。母親の沢子さん(46)は「家に遊びに来てくれるなど、亡くなった後もずっと友人として接してくれた。卒業式にも駿がいる気がした。いや、本当にいたと思う」。小学校の歴史に、42人の卒業生の名前が刻まれた。

 15日は県内114の小学校で卒業式が行われた。

最終更新:3/16(土) 17:53
佐賀新聞

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