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新線開業めじろ押しのJR西日本、次は何を仕掛ける?

3/16(土) 11:41配信

ニュースイッチ

来島達夫社長に聞く

 JR西日本が従来の守りから2030年を目標地点にした成長戦略を掲げ、進み始めた。鉄道事業は関西圏中心に新しいネットワークを充実させ、非鉄道の「創造事業」も加速する。来島達夫社長に事業戦略を聞いた。

 ―計画を含め新線開業がめじろ押しです。16日に「おおさか東線」が全線開通します。
 「おおさか東線は計画から40年経ち、ようやく全線開通する。久宝寺駅を経由し新大阪駅と奈良方面が直通でつながり、新幹線利用客にも奈良県がより身近になる。訪日客を含め観光の移動にも活用してもらいたい。中期的には、なにわ筋線の開通や北陸新幹線の大阪延伸計画などがあり、30年頃は全体の交通体系も変わってくる」

 ―創造事業の強化も打ち出しています。
 「物販飲食やホテル、不動産などの創造事業をさらに進化させる。鉄道主体の業務運営ではいつか限界が来る。創造事業を伸ばすため自主自立できる仕掛けにしていく。30年度には鉄道と創造分野の事業比率を5割ずつにしたい」

 ―昨年に掲げた20年後の「技術ビジョン」の進捗(しんちょく)状況は。
 「23年開業に向け建設中の『(仮称)うめきた(大阪)地下駅』を技術ビジョンの具現化と位置付けた。オープンイノベーションとして公募した技術アイデアは200件以上集まり、実用化に向け検討する。異音を感知する装置など、新しい保安方式の開発も進めている。鉄道の安全はすべての根幹。積み上げてきたことを後退させないようにやっていく」

 ―統合型移動サービス(MaaS)が注目を集めています。
 「一つのシステムの中で、目的地までの移動手段の予約・決済・案内が円滑にできるMaaSはこれから求められる機能だ。関西に基盤を置く他事業者との連携や、実現に向けた具体的な時期など見極める。関西でも形にしたい」

 ―大阪・関西万博の開催地である夢洲(ゆめしま)への交通インフラ整備が動き始めます。
 「万博が決まったことで大阪にチャンスが巡ってきた。当社も夢洲北側からアクセスする桜島線延伸は大事な課題だが、あと6年での実現は難しい」

【記者の目】

 「今後10数年でやるべきことはまだまだある」と来島社長は意欲をにじませた。人口減少や人手不足など、鉄道事業を取り巻く環境は厳しい時代に突入する。持続成長するため、外部から新しい技術などを取り入れる提携や協業にも積極的だ。新技術に果敢に取り組み、重視する安全への取り組みにもつなげられるか注視したい。

日刊工業新聞大阪支社・新庄悠

最終更新:3/16(土) 11:41
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