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スマートウォッチを指の動きで操作、ジェスチャーコントローラー「FlickTek Clip」を試す

3/16(土) 17:00配信

BCN

 筆者はふだん、アップルの「Apple Watch Series 4」と、グーグルのWear OS by Googleを搭載するカシオの「PRO TREK Smart(WSD-F30)」を使い分けてスマートウォッチライフを楽しんでいる。スマートウォッチを使い始めたきっかけは、メールの受信、音楽の曲選択などにも、なるべくスマホの画面に目をやらなくても済むようにしたいという思いもあったからだ。

 しかし、結局はスマートウォッチも基本的には画面を見ながらタップしたり、本体のボタンを操作したりする必要がある。そのため、どうしてもデジタル機器に視線を奪われる不便がつきまとう。音声アシスタントという手もあるが、街中で使うには勇気が要る。ということで、今回はイギリスのスタートアップ、Flicktekが開発したWear OS搭載スマートウォッチをフィンガージェスチャーで操作できるという、ユニークなガジェット「Flicktek Clip」を試してみた。
 

 本機は国内外のスタートアップが開発したデジタルガジェットなどを取り扱うSB C&S(旧ソフトバンク コマース&サービス)が今年の1月18日に発売した。SoftBank SLECTIONオンラインショップや+Styleなどから購入できる。価格は税込1万2800円。

 コンセプトはとてもシンプルで、スマートウォッチとBluetoothでペアリングした後にリストバンドにクリップして一緒に手首に巻く。スマートウォッチと、ペアリングしているスマホにFlickTek Clipの専用アプリをインストールして使う。
 

 本体の質量は80g。カシオのWSD-F30の場合はリストバンドでFlickTek Clipを隠すようにしてスマートに身に着けられた。手首とスマートウォッチの間に挟んで装着することで、FlickTek Clipに搭載するセンサーが指のモーションジェスチャーを判別して、専用アプリを介して特定の時計の機能をコントロールするという仕組み。
 

 

 最初に装着した時は違和感も感じたが、FlickTek Clipの本体がそれほど分厚くないので慣れればさほど気にならない。ただ時計のバンドにはクリップで止めるだけなので、少しずつ位置がずれてくる。満員電車の中などでもみくちゃにされて落としたりしないように気をつけたい。

 電源をオンにしたままでも本体がヒートアップして不快に感じることもなかったが、夏場はどうなるか試してみないとわからない。また、FlickTek Clipの本体が防水・防滴仕様ではないことも少し気になった。外装がシリコン等で覆われているとはいえ、カシオのWSD-F30のように高い防水・防塵性能を備えたスマートウォッチと一緒に使っていると、本機を身につけていることをつい忘れて皿洗いを始めたり、汗をかくためにジョギングに出かけようとしてしまったりした。

 フィンガージェスチャーの設定はスマートウォッチのアプリで行う。個別にジェスチャーを割り当てられる操作は「Enter」「Home」「(キー)Up」「(キー)Down」の4種類。Wear OSのユーザーインターフェースを直接操作するのではなく、FlickTek Clipアプリを立ち上げている間、連絡帳にフィットネス、音楽再生など特定の機能がフィンガージェスチャーを使って動かせるという仕立てだ。
 

 

 

 4種類の操作に割り当てられるフィンガージェスチャーはモーションを伴っている必要がある。つまり内蔵するセンサーが検知しているのは5本の指の動きであり、「ピースサイン」「サムアップ」など、どんな指のポーズを静止してキメているかを判別しているわけではない。

 指の動きについては複数指によるマルチフィンガーアクションも識別するが、動作は比較的落ち着いてゆっくりと指を動かした方が正確に認識するようだ。例えば人差し指を弾くようなモーションは力を入れすぎたり、フォロースルーがあまりにダイナミックだと認識してくれない。指先に付いた水滴を軽く弾くような動作がちょうどよいようだ。また認識するのは指の動きだけで、手首を返したり上下に揺さぶってみても何も反応は返してこなかった。
 

 たとえば、音楽再生のコントロールや歩数計の確認などにフィンガージェスチャーも併用できると、混雑した電車の中や車のハンドルを握っているときにも使える。手首を縦に向けてつり革をつかんでいても操作を受付けてくれる。ジェスチャーの認識精度はまずまず。使い続けるうちに鈍ってくるような感覚もあるが、アプリのメニューから「キャリブレーション」を時々かければ元に戻る。

 課題はやはりフィンガージェスチャー操作を使いたいときにはまず、FlickTeck Clipアプリを先に立ち上げておかなければならないことだ。一度立ち上げてしまえばウォッチのホーム画面に戻った後も、いずれかのフィンガージェスチャーからアプリを呼び出すことはできるのだが。

 そして、立ち上げている間はスマートウォッチの側もバッテリーの消費スピードが加速した。やはり装着性の改善を図るためにも、一度どこかのメーカーとコラボしてFlickTek ClipのジェスチャーUIを組み込んだWear OS搭載のスマートウォッチを商品化してみても勝機はあると思う。

 今後は、IFTTT連携を活用してIoT機器を遠隔操作したり、Unified Remoteアプリとの連携によるWindows PCの操作も本機とスマートウォッチの組み合わせたりできるようにもなるらしい。スマートデバイスの新しいユーザーインターフェースは、スマートスピーカーが搭載する音声入力操作のように受け入れられるまでに時間がかかる場合もあるが、スマートウォッチとフィンガージェスチャーは相性がよいし、場所を気にせず手軽に使えるところも好感触だった。ぜひさらに精度を高めて、Flicktek社には色んなモノづくりにチャレンジして欲しいと思う。(フリーライター・山本 敦)

最終更新:3/16(土) 17:00
BCN

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