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シャオミが目指すはスマホメーカーではなく家電の無印良品 戦略や日本進出を聞く

3/17(日) 12:00配信

アスキー

一時期の苦境から脱し、再び大きな成長を果たしているシャオミ。彼らは自らをスマートフォンメーカーではなく、インターネットカンパニーと称しており、その目指すところは無印良品なのだという。
 MWCでちょっと変わったブースを構えたのがシャオミ(シャオミ)だ。MWCには2回目の出展となる2019年。同社は昨年より大きなスペースで、最新のスマートフォンからインテリア、電動スクーターなどを並べ、シャオミワールドを見せた。
 
 会場でシャオミ Globalプロダクトマーケティング担当ディレクターのDonovan Sung氏に、シャオミのこれまで、そして日本市場などについて話を聞いた。
 

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2017~2018年に西欧諸国に進出し、急激に成長
ハードウェア製品は利益率5%に抑えることをコミットする
――ブース拡大は展開中の欧州市場を意識してのことか? 現在の国際展開はどうなっている?
 
Sung氏(以下、同) ここ1-2年、グローバル市場へのフォーカスを強めており、その戦略に沿ったものとなる。シャオミのグローバル事業は2018年、前年比100%増で成長した。現在、中国国外からの売上は4割を占めており、引き続き2019年も重要視している。特に西欧に注力していく。MWCでは最高の製品とシャオミの世界を見せたかった。
 
 国際展開では、これまでインドをはじめ東南アジアが中心だったが、2017年末にスペイン市場に参入。昨年は5月にフランス、イタリア、そして年末にイギリスに進出した。どこも成功している。たとえばスペインではオープンチャネルでトップとなった。
 
――欧州市場でのターゲット層は?
 
 まず意識しているのは、技術に敏感なユーザー層だ。中国ではSNS、ブログ、クチコミを重視しているが、欧州ではさまざまなチャネルで展開することが重要と考え、オンラインとオフラインの両輪で進めている。オンラインではAmazon、我々から直接購入できるme.com、オフラインでは地元大手のMediaMarkt、Carrefourなどの小売、そして通信事業者も重要だ。
 
――シャオミは高機能スマートフォンを安価に提供するというイメージがあるが、現在の製品戦略は?
 
 「Xiaomi Mi9」は決して安価なスマートフォンではない。ソニー「Exmor IMX586」センサーを搭載。Snapdragon 855など、コンポーネントは現時点で市場にある最高レベルのものばかりだ。
 
 価格という点では、シャオミはハードウェア製品の利益率を5%にする。これにコミットしているので、必然的に求めやすい価格になる。
 
――ハードウェア製品の利益率を5%とする背景は?
 
 シャオミのミッションは”イノベーションを全員の手に”。5%はそのコミットを示すものだ。我々は世界中の人が最高の製品と技術を低コストで楽しむことができるようにする。たとえるなら、「MUJI」(良品計画)だ。消費者家電におけるMUJIのような存在になりたい。そのために、高品質の製品を求めやすい価格で提供する。
 
低迷からの復活の要因としてリアル店舗の強化
――3~4年前に停滞した時期があった。カムバックできた理由をどう分析している?
 
 いくつかの要因がある。まずは、創業後に急速に拡大してしまったが、減速の必要があった。マネジメント、プロセス、品質管理などできちんと機能しているか、体制が整っているのかを見直す必要があった。
 
 次に、中国では当初オンラインのみで展開していたが、これに限界があることがわかった。オフラインで購入する人もたくさんおり、オフラインを強化することにした。具体的には「Mi Home」で展開する店舗で、中国では300店以上、中国以外では約100店を数える。パートナーと協業したシャオミ認定ストアも含めて、多数のユーザーにリーチできる。
 
――MIUIはどうか? 一時期使いにくい、バグが多いという声があった。
 
 MIUIは素晴らしいOSだと思っている。戦略的にも重要だ。一方で、Stock Android(ピュアAndroid)を好む人向けに「Android One」プログラムにも参加して、選択肢を提供する。
 
シャオミはあくまでインターネットカンパニー
スマホは生活製品やサービスへの入口
――スマートフォン、ウェアラブル以外にもさまざまな製品を展示した。シャオミのビジネスをどのように位置付ける?
 
 我々はスマートフォンメーカーではなく、スマートフォンとIoT製品をもつインターネットカンパニーだ。スマートフォンとIoT製品は成長を加速してくれる重要な製品で、それぞれ売上の1位、2位を占める製品カテゴリーとなっている。続いて、音楽サービスなどのインターネットサービスだ。
 
 中国では音楽、動画などのインターネットサービス、MVNOも展開しているが、スマートフォンやMIUIはこの入口となる。ユーザーを獲得するという点で、スマートフォンなどのハードウェアは重要だ。
 
 このようなサービスは、中国以外の市場ではまだこれから。順番としては、まずはブランドの構築、次にサービス事業の展開となる。インドでは6四半期連続でシェアトップとなった。3割のシェアを持っており、ハードウェアが安定してきたので、今後インターネットサービスの展開を進めていく。
 
パートナー企業の海外進出もサポート
日本は規模も大きく興味深い市場
――スマートフォン上位を占めるのはサムスンを除いて中国勢ばかりだが、シャオミにおける差別化は?
 
 ハードウェア製品の利益率を5%というコミットは大きな差別化だ。また、伝統的なマーケティングに頼らず、SNSを重要にしている。また、製品に大きなフォーカスをしており、技術が好きな人をきちんと獲得している。
 
 ハードウェアでは空気清浄機、炊飯器、ドローン、枕やベッドと多様な製品を展開している。種類にして2000以上の製品ラインがあるが、これは他の企業とのパートナー戦略によるもの。シャオミは出資をし、サプライチェーンやマーケティングも支援する。たとえばMiBandはHuami製だが、Huamiは米国市場で上場している企業だ。
 
――米国市場、日本市場はどうか?
 
 米国市場について現時点で発表できることはない。日本市場は興味深い。市場規模も大きいし、おもしろいことが起こっている。すぐに話せる計画はないが、我々の製品は世界中のユーザーに訴求できると信じている。シャオミのミッションである”イノベーションを全員の手に”では、日本のユーザーも含まれる。日本の人にもシャオミを楽しんでもらえると信じているが、急速には拡大できない。
 
 2019年はまず、MWCで発表した「Mi9」と「Mi Mix 3 5G」にフォーカスする。折りたたみ型もコンセプトビデオを公開しており、期待してほしい。
 
文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

最終更新:3/17(日) 12:00
アスキー

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