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人はなぜ、活火山の近くに住むのか

3/17(日) 21:13配信

ギズモード・ジャパン

火山を危険と考えるのは「侮辱」

しかし火山は恐れられるだけの存在ではないのです。インドネシアの火山のおかげで、穀物がよく育つ土壌、新鮮な水路、家畜のための野草、綺麗な空気と美しい風景が存在するのです。インドネシアのコミュニティには火山と強い文化的なコネクションがあり、ジャワ島の少数民族テンゲル人は、毎年、火口に山の神へお供え物をする風習があります。

またキラウエア周辺に住んでいる人たちもスピリチュアルな儀式をよく行ないます。キラウエアを創ったのは、人々に畏れられる火山の女神ペレと言われています。ハワイ以外の人には理解しがたいことかもしれませんが、火山の噴火に対して住民は畏敬の念を抱いているのです。去年のキラウエアの噴火の際、車が溶岩に飲まれていく様子が報道されました。しかし、その車の持ち主は車を失ったことを簡単に受け入れたそうです。それはハワイ特有の態度なんだそう。

同じようにニュージーランドのマオリ族の人たちも火山はひとを脅かすもの、とは捉えていないそう。ニュージーランドの人たちにとって一般的に火山を「危険」と考えること自体かなりの侮辱にあたるとのこと。

火山の近くに住むことを強いられている住人もいる

ハワイ大学の火山学者Bruce Houghtonさんによると、もちろん火山へ畏敬の念を抱いておらず、必要があるから住んでいる人も多いのは事実で、例えばキラウエアの傾斜地は噴火で被害を受けるリスクが高いため、土地が安いのです。安いから住んでいる、という人も多くいると言います。

他には悲劇的な結果により火山の近くに住むことを強いられている人たちもいます。カリブ海に浮かぶ火山島、セントビンセント島はヨーロッパから初めて人がやってくるまで島民は海岸沿いに住んでいました。しかし1760年代にイギリスの植民地になってからは、島民がスフリエール火山の方に住まいを追いやられました。1812年、大噴火により火山周辺のプランテーションで働いていた奴隷たちが多く亡くなることがありました。

1902年~1903年の再びの大噴火のあと、農民奴隷の子孫たちは白人の子孫たちのような生活を建て直すための金銭的な補助がもらえなかったことも。現在でも彼らは火山の北側に住んでいて、島の中でも一番貧しい生活を送っているのです。

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