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自治体消滅!再生の鍵握る「よそ者」視点 人口減…〝勝てない〟戦いにブランドイメージ

3/18(月) 13:02配信

47NEWS

 少子高齢化や都市への人口流出が進み、2040年までに全国約1800市町村のうちほぼ半数が消滅する恐れがある地方自治体。各自治体は知恵を絞り、生き残りに懸命だが、外から地域の魅力を見てきた移住者が地域おこし協力隊などとして活躍、「よそ者」の奮闘が再活性化の鍵を握る。兵庫県と奈良県にある二つの自治体をのぞいてみた。(共同通信=大阪社会部・真下周、神戸支局・三野多香子)

 × × × 

 ▽九死に一生を得て 

 兵庫県のほぼ中央に位置する人口約2万1千人の多可町。昨年12月中旬のある夜、花が一つも咲いていない町立公園「ラベンダーパーク多可」に数百人の町民や観光客が集まり、にぎわっていた。お目当てはホタルに見立てた千個のあんどんを同時に点灯するイベント「多可・冬のホタル2018」。町職員は「普段は人っ子ひとり通らない場所で、すごいことだった」と振り返る。

 ちぎった新聞紙をのりで貼り合わせて釣り鐘状にし、側面に穴を開け、LEDをつるしたあんどんは町民らの手作り。閑散とした約5ヘクタールのラベンダー畑に無数の光が浮かび、揺らめいた。夏の名物ホタルを、冬に生かそうという発想だった。

 6年前に兵庫県西宮市から夫婦で移住したデザイナー小椋聡さん(49)が企画。自ら古民家を譲り受けた経験から、古民家の利活用や地域活性化のイベントを手がけ、町の委託を受けて移住希望者の相談に乗る「定住コンシェルジュ」も務める。

 小椋さんは05年4月25日の尼崎JR脱線事故で、最も犠牲者が多かった2両目に乗っていて重傷を負った。九死に一生を得たが、被害者の活動に深く関わるうち、妻朋子さんが「代理受傷」し、重いうつ状態に。2人は静かな環境を求めて、多可町に移り住んだ。

 冬のホタルのきっかけは公園を運営するNPO法人理事長の森本寿文さん(64)から「冬にお客さんがとても少ない」と相談を受けたこと。花が咲く夏の週末は1日約千人が来場するが、冬はわずか数十人。併設の食堂や喫茶店の黒字分では畑の管理費や人件費は穴埋めできず、町からの管理料に頼らざるをえない。

 当初は企画が実現できるか疑心暗鬼だった森本さんも、子ども食堂や介護施設で老若男女を問わず楽しそうにあんどんをつくる様子を見て、成功を確信した。「ずっとここに住んでいると気づかないこともたくさんある。働き掛け次第で(状況を)改善できることを教えてもらった」と小椋さんに感謝しきりだ。

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最終更新:3/18(月) 13:55
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