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本当に同じ店? 外装をどんどん変える「焼肉きんぐ」の狙い

3/18(月) 5:05配信

ITmedia ビジネスオンライン

 郊外で車を運転していると、ロードサイドにある大手チェーンの店舗を見かける。多少の違いはあれど、看板や店舗のデザインはどこでも似たようなものになっており、短い期間で何度も変わるわけではない。

【画像】こんなに違う! 2007年頃の外装

 大手焼き肉チェーンの「焼肉きんぐ」は、1995年から現在に至るまで店舗の外装を何度も変えている。変化の度合いが大きいので、外装が変わった後は「同じお店なの?」と考えるお客がいそうなほどなのだ。

 一般的に大手チェーンは「同じ商品・サービスを提供していると伝える」「ブランドイメージを一貫させる」という戦略から、外装計画をコロコロと変えることはない。しかし、焼肉きんぐはその逆の戦略で業績を伸ばし続けている。その狙いはどこにあるのか? 焼肉きんぐなどを運営する物語コーポレーション(愛知県豊橋市)で、全業態の開発に携わっている役員に話を聞いた。

郊外ロードサイド型レストランで成長

 まず、物語コーポレーションの概要について解説しよう。同社は、郊外ロードサイド型レストランを全国で488店舗展開しており、「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」「お好み焼本舗」「ゆず庵」などを運営している(18年12月末時点)。

 18年6月期の売上高(連結)は521億2000万円(前期比16.8%増)、経常利益は38億6000万円(26.4%増)となっており、13期連続増収増益を実現している。売上高の半分近くを稼いでるのが200店超ある焼き肉業態であり、その中核となるのが焼肉きんぐだ。

 焼肉きんぐは、お客が席で注文する食べ放題システムを採用している。食べ放題は「58品食べ放題コース」(2680円、税別、以下同)、「きんぐコース」(2980円)、「プレミアムコース」(3980円)の3コースがある。単品メニューや飲み放題コースもあり、店舗の多くは郊外にある。

初期の外装は?

 焼肉きんぐの外装はどのように変化していったのだろうか。外装計画が大きく変わった節目の年に基づいて解説しよう。

 1995年、焼肉きんぐの前身となる「一番カルビ」初期の外装デザインは、調味料の軸となる赤い唐辛子を大きく訴求することで、視覚的なインパクトを狙っている。席数の多い大型店舗なので、焼き肉の看板がなければ和風のファミリーレストランに見えるかもしれない。一番カルビが立ち上がった当時、牛肉の輸入自由化がスタートしており、焼き肉店にとっては追い風が吹いていた。また、当時は個人経営の焼き肉店が多く、ロードサイドのお店で家族が一緒に食べるスタイルは普及していなかった。一番カルビは大ヒットし、競合他社が視察に押し寄せるほどだったという。しかし、類似店が多数出現したため、物語コーポレーションは戦略転換を余儀なくされた。

 02年、同社は差別化のために「和風」を打ち出すことにした。店名をあえて墨文字で「一番かるび」と表記し、ユニホームも和風にした。「高級感」「専門店」というイメージを伝える狙いもあった。外装には焼き肉の王道メニューである「カルビ」「ホルモン」を盛り込み、焼き肉店ということが一目で分かるデザインにした。

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