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荒川は海洋ごみ問題の最前線

3/18(月) 9:00配信

Yahoo!ニュース

「海のプラスチックごみの重さが、2050年には海の魚全体の重さを超える可能性がある」と、2015年の世界経済フォーラムで報告された。人の住んでいない北極の海でも微小プラごみが確認されている。いまや待ったなしの海洋ごみ問題だが、埼玉・東京を流れ東京湾に注ぐ「都市河川」荒川が、その最前線であることは、あまり知られていない。

豊かな自然、都心のオアシス

荒川は埼玉県奥秩父を源流に河口までの長さが173キロ。川幅は一番広い埼玉県鴻巣市付近で2.5キロを超え日本最大とされる。広大な水面やヨシ原・草地にトビハゼ、ショウリョウバッタモドキ、オオヨシキリなどの魚や昆虫・鳥など多くの野生生物がおり、都心部のオアシスとなっている。

また河川敷も公園・グラウンド等の貴重な空間となっている。東京・江戸川区の「小松川自然地」など、自然と触れ合い楽しみながら環境を守る事業も行われている。写真からも一見、河川ごみなどはあまりないように見える。

一歩踏み込めばごみだらけ

冒頭の写真は荒川の河口(江戸川区)の風景を撮影したものだ。プラスチック素材を中心とした人工系ごみが2層3層にわたって積み重なっており、写っている範囲だけでも推定5万本以上のペットボトルが漂着している。場所によって差はあるが、茂っているヨシを刈ればこのような光景がここから2キロ下流まで広がっている。現場の土をすくってみると土と粉々になったプラスチック(マイクロプラスチック)とが半々の状態だ。マイクロプラスチックは海で生じると考えられていたが荒川の河口にもう大量に存在している。

荒川の流域には1000万人を超える人が住んでいる。流域の人口密度も1平方キロあたり3100人と、東京・神奈川を流れる鶴見川に次ぎ国内第2位だ。河川ごみの量は流域人口に比例すると言われており、荒川の河川ごみの量が国内屈指であることは確実だ。

さらに海洋ごみの6割~8割は、街から発生し排水路や雨水管を通って河川を伝って海へ流出したものだと言われる。荒川が「海洋ごみ問題の最前線」であるというのはこのような意味だ。

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最終更新:5/9(木) 11:17
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