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荒川は海洋ごみ問題の最前線

3/18(月) 9:00配信

Yahoo!ニュース

太平洋ごみベルトに「日本製」

「ごみを海に捨てているのは発展途上国であり、日本の責任ではない」。
海洋ごみ問題が日本でも報道され始めた2016年ごろ、このような意見をよく聞いた。
しかし、環境省の報告(2015年)によれば、日本の本州太平洋沿岸に漂着しているペットボトルの5割から9割は日本製だった。

また、北太平洋には「太平洋ごみベルト」と呼ばれる海ごみの墓場(Great Pacific Garbage Patch)が存在する。そのごみをオランダのNGO「オーシャン・クリーンアップ(The Ocean Cleanup)」等が調査・分析したところ、その総量は7万9000トンで、面積にして日本の4倍以上。表示などから製造場所が分かったごみ386個のうち、3割に当たる113個は日本製だったという。

海洋ごみはエサと間違われ様々な海洋生物が飲み込んでしまう。鹿児島大学の藤枝繁・特任教授の研究によれば、北太平洋・ミッドウェー諸島でコアホウドリの胃からみつかった使い捨てライターの半数以上が日本起源だったことが、既に2000年代の始めに報告されている。

世界的な目で海洋ごみの総排出量を見ればもっとひどいところはもちろんある。しかし日本も決してほめられたものではない。

荒川清掃担う「クリーンエイド」

では、荒川に実際に漂うごみはどのようなものだろうか。筆者が参画する「荒川クリーンエイド」の活動を通して報告しよう。

荒川クリーンエイド(Clean + aidの造語)は1994年、当時の建設省荒川下流工事事務所(現国土交通省荒川下流河川事務所)が始めた荒川の清掃活動で、2019年で26年目となる。
散乱する河川ごみについては1994年当時、問題意識はあったものの回収のための特定の予算はなく、国も自治体も有効な手立てを見いだせていなかった。そんな中、先行する「多摩川クリーンエイド」を介して始まったのが荒川クリーンエイドだ。
最初は年に2600人程度の参加だったが現在は1万人を超えており、市民団体、企業、教育機関、行政等が年に約160回の清掃活動を行っている。これまでの累計参加者20万人以上と、荒川では定着した活動だ。国交省と自治体がタッグを組み、年中いつでもボランティアができる仕組みは全国でも珍しい。

荒川クリーンエイドでは「調べるごみ拾い(ICC*)」を取り入れている。どのような種類のごみが何個落ちているかを調べながら拾うもので、米国の環境NGO「オーシャン・コンサーバンシー(Ocean Conservancy)」が考え出した。世界的に統一された調査項目で実施されるのが特徴だ。

荒川では5~6人を1チームとし、1人が記録者、その他でごみの種類と数を報告しながら拾う。2018年は計7002人が参加した。

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最終更新:5/9(木) 11:17
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