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新出生前診断の提供拡大 群馬県内の識者2人に聞く 安易な中絶 防げる/妊婦の悩み 増やす

3/18(月) 6:04配信

上毛新聞

 妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる「新出生前診断」について、日本産科婦人科学会は今月、学会指定の研修を受けた産婦人科医がいる施設であれば、開業医などの規模の小さい病院でも検査できるようにする要件緩和案をまとめた。現在、学会の認定施設は大学病院などに限られているが、正式決定すれば妊婦が検査を受けやすくなる。

 新たな案は、多くの妊婦が相談体制の不十分な無認定施設で受けている現状を改善する狙いがある。一方、中絶の選択につながるとして、検査の実施そのものに慎重な意見も多い。

 医療の進歩で可能になった診断は、命と向き合う上で多くの関係者に難しい課題を突き付けている。群馬県内の識者2人に、それぞれの立場から聞いた。

《肯定派》無認定施設減に期待 横田マタニティーホスピタル院長・横田英巳さん

 産婦人科医で群馬県の横田マタニティーホスピタル(前橋市)の横田英巳院長(53)は、無認定施設で同診断が多く行われている現状を問題視。学会案について「体制が整った病院で受けやすくなり、安易な中絶を防ぐことにつながる」と評価する。

―新出生前診断を実施する医療機関を拡大する案が示された。

 新たな案によって、規制が緩くなるように報道などで言われているが、むしろ厳しくなると受け止めてほしい。新出生前診断を行う日本産科婦人科学会認定の施設は全国で92カ所と非常に少なく、県内にはない状態だ。

 そのため十分な説明や相談を行わず、検査結果だけを示すような無認定施設で受診する人が相次ぎ、安易な中絶を生む原因になっている。今後、学会の研修を受け、体制を整えた開業医などで検査を受けられるようになることで、無認定施設が減ることに期待したい。

―出生前診断とはどのようなものか。

 胎児に先天的な疾患がないか調べる検査で、可能性の有無を調べる「非確定的」な検査と、ほぼ100%の確率で分かる「確定的」な検査がある。非確定は超音波で胎児の状態を確認したり、母親の血液を調べたりするもので、新出生前診断もこれに当たる。

 確定的な検査は羊水や、胎盤の一部である絨毛(じゅうもう)を調べる。私たちの病院では超音波と羊水の検査を実施している。

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最終更新:3/18(月) 20:41
上毛新聞

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