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阪神なんば線が開業10周年! 神戸~奈良の流れを変えたその役割

3/19(火) 6:04配信

乗りものニュース

伝法線→西大阪線→「阪神なんば線」に

 2019(平成31)年3月20日(水)、阪神電鉄の阪神なんば線が全線開業から10周年を迎えます。まずは、同線の歴史を簡単に振り返ってみましょう。

【写真】開業準備が進む10年前の西九条駅

 大正末期から昭和初期にかけて、阪神本線の尼崎駅(兵庫県尼崎市)から千鳥橋駅(大阪市此花区)に至る路線が伝法線として開業しました。これが、阪神なんば線の前身です。その後、1964(昭和39)年には千鳥橋~西九条間が開業し、これに合わせて西大阪線と改称されます。当時から、さらに先への延伸が計画されており、西九条駅(大阪市此花区)はそれを見越してJR大阪環状線を乗り越える構造となっていました。

 ところが、延伸区間の住民による反対運動や、建設費の高騰などを受け、計画は頓挫してしまいます。再び議論されるようになったのは1990年代後半のこと。延伸ルートに大阪ドーム(現・京セラドーム大阪、大阪市西区)が建設されたことや、沿線住民が建設賛成に転じたことなどがその理由です。

 工事は2003(平成15)年10月に始まり、約5年をかけて完成。2009(平成21)年3月20日に開業し、同時に近鉄奈良線との相互乗り入れが始まりました。路線名も西大阪線から阪神なんば線へ変更され、新たなスタートを切ったのです。

 ちなみに、延伸区間である西九条~大阪難波間は、線路や駅といった施設を第三セクター会社である西大阪高速鉄道株式会社が保有していて、阪神がそれらを借り受けて営業しているという形になります。これは、自治体の出資や国からの補助を受けるためで、建設費が高くなる一方で公益性が高い、都市部の鉄道建設でよく使われる手法です。

開業で人の流れが大きく変化

 阪神なんば線の全線開業は、“革命的”ともいえる人の流れの変化をもたらしました。これまで、奈良から神戸へ(あるいはその逆へ)移動する人たちは、いったん近鉄奈良線やJR関西本線を使って大阪市内まで行き、そこからJRや阪急、阪神などで向かう必要がありました。それが阪神なんば線の開業により、乗り換えなしで行けるようになったのです。

「神戸から奈良へ(奈良から神戸へ)行く需要が、そんなにあるのだろうか」と思う人がいるかもしれませんが、両エリアはともに全国有数の観光地です。訪れる観光客にとって、非常に便利であることは間違いありません。沿線に住んでいる人にとっても、休日に“ちょっと近所へお出掛け”という感覚で、港町や古都に気軽に行けるのは魅力です。

 また、神戸~奈良間を乗り通す需要だけではなく、例えば奈良県の生駒から兵庫県の尼崎へ、大阪府の布施から兵庫県の西宮へといったように、途中の都市を移動する人にも重宝されています。さらに、近鉄や阪神の沿線には、いくつもの高校や大学があります。これまで下宿が必要だった学校へ自宅から通えるようになるなど、進学の選択肢が増えることにもつながりました。

 阪神なんば線の利用者は、開業当初は1日5.8万人ほどだったのが、2017年度は9.5万人以上に増加。同線が、人の流れを大きく変えたことが分かります。

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最終更新:3/19(火) 14:12
乗りものニュース

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