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相次ぐ芸能人の不祥事、でも作品の「お蔵入り」って本当に必要?

3/19(火) 11:50配信

LIMO

2019年2月に強制性交の疑いで逮捕された新井浩文容疑者に続き、3月12日、ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者が麻薬取締法違反容疑で逮捕され、図らずも人気芸能人の逮捕が相次いでいます。

また、彼らの事件を受けて、テレビ各局や映画会社、所属事務所らが、過去の出演作品や公開予定作品を自粛する流れとなっています。しかし、その「自主規制ムード」に対して、各所で疑問視する声が上がっています。瀧容疑者の逮捕から1週間が経ちましたが、ここまでの動きとあわせ、海外ではこうした場合に「自粛」をしているのかどうかなども含めて、簡単にまとめてみます。

ピエール瀧容疑者の関係作品の行方

瀧容疑者はこれまで数々の映画やドラマ作品に出演し、また石野卓球さんとのユニット「電気グルーヴ」で精力的に音楽活動も行ってきたため、多くの作品に影響が及んでいます。

各メディアの報道によれば、NHKオンデマンドで配信していた『あまちゃん』『龍馬伝』『とと姉ちゃん』などは当面配信停止、大ヒット作の続編であるアニメーション映画『アナと雪の女王2』は、日本語吹き替え版の声優に瀧容疑者を起用して公開予定でしたが、他の声優への交代を行うとのことです。

また「電気グルーヴ」が所属するソニーミュージックレーベルズは、音楽作品のデジタル配信の停止と映像作品の回収を発表しています。

「自粛」を疑問視する声

こういった配信停止や公開中止の流れに対しては、一般人からだけでなく、メディアでも批判が相次いでいますが、業界関係者も数多く疑問の声を挙げています。たとえば、映画監督の鶴田法男さんは、Twitter上で次のように述べています。

「(前半省略)過去作まで封印するようになるのは過剰反応だと思う。役者は別人格を演じているわけです。それに、役者の皆さんには申し訳ないけど、役者は作品の一部分を形作っているだけに過ぎない」

また、劇作家の鴻上尚史さんは、「文化的損失」という観点から、過去作品の封印について以下のように疑問視しています。

「出演者の不祥事によって、過去作品が封印されるなんて風習は誰の得にもならないし、法律的にもなんの問題もないし、ただの思考停止でしかない。ここで制作者は踏ん張って、作品と1人の俳優はイコールではないと持ちこたえないと、この国の文化は悲惨なことになってしまう」

音楽の分野でも、坂本龍一さんがTwitter上で、

「なんのための自粛ですか? 電グルの音楽が売られていて困る人がいますか? ドラッグを使用した人間の作った音楽は聴きたくないという人は、ただ聴かなければいいんだけなんだから。音楽に罪はない」

と表明。同様の視点で、弁護士の福井建策さんも、Twitter上で次のように述べています。

「「あまちゃん」もか・・・。新井浩文の時にも言ったが、果たして個人の問題で過去の出演作を次々停止する必要はあるだろうか。配慮はわかるが、一度公開された作品は社会の共有資産でもある」

実際、前出の鴻上さんが指摘したように、法律上では「容疑者や犯罪が確定した人間の出演作品は公開停止にしなければならない」という定めはなく、公開停止はメディア側の「慣行」でしかありません。

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最終更新:3/31(日) 10:35
LIMO

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