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社説[別の場所にも軟弱地盤]辺野古は適地ではない

3/19(火) 7:30配信

沖縄タイムス

 軟弱地盤が存在するのは、政府が大がかりな改良工事を予定している海域だけではなかった。

 名護市辺野古の新基地建設を巡って、政府は当初、埋め立て区域の外側に、埋め立てに使う大型ケーソンの仮置き場となる海上作業ヤードを設置する計画だった。

 大型ケーソンは長さ52メートル、幅22メートル、高さ24メートル。コンクリート製の巨大な構造物で、計38基を設置する。

 県外で製作したあと、船で沖縄までえい航し、予定海域に投入するまで海上作業ヤードに仮置きする予定だった。

 ところが、政府は2017年8月、本社の取材に対し、理由を公表しないまま、海上作業ヤードの設置を取り止めたことを明らかにした。

 なぜか。防衛省が15日、国会に提出したボーリング調査の報告書などで、その理由がようやく公になった。

 作業ヤード予定海域にも軟弱地盤が存在していたのだ。

 大型ケーソンの仮置き場をつくるためには、大浦湾中央部に大量の石材を投下し、基礎の台座を造成する必要があある。

 軟弱地盤の上に台座をつくり、その上に重さ約7400トンもする大型ケーソンを仮置きするのは極めて危険だ。転倒や沈下など不測の事態が発生する可能性が高い。

 ここに来て作業ヤードの設置中止の理由が、軟弱地盤の存在にあったことが明らかになったのである。

 果たして辺野古は新基地建設の「適地」と言えるのか。答えは「ノー」だ。それがますますはっきりしてきた。

 ■ ■

 防衛省が辺野古の公有水面埋め立てを申請したのは、13年3月。あれから6年の歳月がたったことになるが、この間にさまざまな問題が表面化した。

 設置中止となった海上作業ヤードの代わりの施設をどこに求めるのか。防衛省はそれをまだ明らかにしていない。

 大浦湾側の軟弱地盤の改良工事が必要になったため、総事業費は大幅に膨らみ、工期も長期化することが確実となった。

 だが、総事業費についても工期についても、政府と県の見解の違いが鮮明だ。

 13年12月の埋め立て承認から5年3カ月になるというのに、先がまったく見えない。 はっきりしてきたのは、辺野古にこだわり続けることで、普天間の「一日も早い危険性除去」が大幅に遅れる、という点である。

 県民投票の実施、軟弱地盤の存在など、新たな状況が生まれ、辺野古問題は重大な転換点にさしかかっている。

 ■ ■

 県は受け身になってはいけない。翁長雄志前知事は、弁護士や環境問題の専門家らで構成する第三者委員会を設置し、埋め立て承認が適切だったかどうかを検証させた。

 今、玉城デニー知事に求められているのは、新たな第三者機関を設置し、この間の政府の対応を全面的に検証し、問題点を洗い直すことではないか。

 環境保全一つをとっても、問題はあまりにも多い。

 今こそ原点に立ち返った抜本的な検討が必要だ。

最終更新:3/19(火) 7:30
沖縄タイムス

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