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ビールの味が変わる? 「プレモル」が注力する“体験”戦略

3/20(水) 7:30配信

ITmedia ビジネスオンライン

 ビール市場の縮小が続いている。ビール以外のアルコール飲料の選択肢が増えたことなどにより、ビール系飲料の市場は14年連続で減少。また、ビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の中でも、元気がいいのは低価格の第3のビールだ。価格が安く、手軽に飲めるアルコール飲料の需要が拡大している。

【旗艦店で提供する「泡だけのビール」】

 そんな中、決して安くはないプレミアムビールが伸長の兆しを見せている。サントリービールの「ザ・プレミアム・モルツ」(プレモル)だ。2018年の販売実績は、ビール市場全体が前年比5%減となる中、プレモルは0.4%増と横ばい。19年1~2月の足元では、前年同期比11%増と伸びている。

 プレモルブランドでは18年、ビールの泡のおいしさを訴求するキーワードとして「神泡」を打ち出し、一定の成果を挙げた。19年もさらに取り組みを加速させるという。「泡のおいしさを伝えて、ビール業界全体の魅力を取り戻したい」と意気込む山田賢治社長に、プレモルの戦略について聞いた。

「泡」でビール本来のおいしさを伝える

――なぜ今、ビールの「泡」を前面に打ち出すのでしょうか。

 酎ハイなど、お酒の選択肢は増えましたが、泡はビールにしかありません。泡がおいしいことが、おいしいビールの条件です。他のお酒と比べてビールの魅力は相対的に低下していると言わざるを得ませんが、ビール本来のおいしさを伝えることが市場活性化につながると考えています。

 とはいえ、「神泡」というキーワードはポッと出てきたものではありません。「ちょっと面白いからやってみよう」というものではなく、長年の研究の成果が全て詰まったメッセージ。ビールがおいしくなる必須条件が泡のおいしさなのです。

――18年の「神泡」キャンペーンの成果はどうでしたか。

 まず、飲食店で提供する業務用については、「神泡品質提供店」が約3万5000店にまで広がりました。神泡は、お客さまに認知されやすいことから、お店がお客さまから「神泡じゃないの?」と聞かれることもあったようで、店舗数が増えていきました。

 その提供店で注文される杯数を調査したところ、提供していなかった前年と比べて2%上昇するという傾向が見られました。また、店舗のスタッフが「神泡」と声に出して提供する「コール活動」も、約3000店が実施しています。

 そして家庭用は、缶ビールを注ぐときにお店と同じような泡を出せる「神泡サーバー」が好評でした。当初の計画では250万個を配布することになっていましたが、最終的には電動式と手動式合わせて550万個になりました。量販店などの店頭で実演し、「こんなに泡が違う」と視覚的に伝える活動を行ったところ、お客さまに伝わったようです。

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