ここから本文です

莫大な権力を手にしたマイケル・コルレオーネと重なる、フランシス・フォード・コッポラ『ゴッドファーザーPARTII』

3/20(水) 11:48配信

CINEMORE

コッポラと前作のチームが生み出した、まったく異なる続編

 長い映画の歴史において数多存在する“続編映画”の中でも、一作目に勝るとも劣らない“最高の続編”として必ず挙げられる傑作が『ゴッドファーザーPARTII』(74)。実際、アカデミー賞では、前作と同様に作品賞と脚色賞を受賞。さらに主要人物ヴィトー・コルレオーネの現在と若き日を演じた2人の俳優が、それぞれ主演男優賞(ゴッドファーザー/マーロン・ブランド)と助演男優賞(ゴッドファーザーPARTII/ロバート・デ・ニーロ)に輝くという快挙を成し遂げており、これほど評価が拮抗している正編続編も珍しい。

 『ゴッドファーザー』(72)と『ゴッドファーザーPARTII』はほとんど同じチームで製作されている。監督にフランシス・コッポラ、コッポラとの共同脚本は原作者でもあるマリオ・プーヅォ、撮影監督は天才ゴードン・ウィリス、音楽はイタリアの名匠ニーノ・ロータ。キャスト陣もわずかな例外を除いて前作のメンバーがほとんど戻ってきた。では『ゴッドファーザー』という傑作を生み出したチームが再結集したから、前作に負けない傑作が生まれたのか? いや、同じチームというだけで傑作が生まれるならば、世の中の続編は傑作だらけになるはずだ。

 実際、映像面を例に取ると、『ゴッドファーザーPARTII』は、撮影監督ウィリスが編み出した光量をギリギリまで絞った繊細なライティングやセピアの色調など、前作の映像スタイルを意識的に踏襲している。『ゴッドファーザー』と『ゴッドファーザーPARTII』に未公開シーンを加え、時系列順に再編集したテレビ放送バージョンも存在するが、あまりに統一感があるので、シャッフルされてもまったく違和感がないくらいである。時代設定ごとに色調の変化はあるが、ルックス面で二作はほとんど同じと言っていい。

 では、なぜ『ゴッドファーザーPARTII』は「前作の二番煎じ」扱いではなく“最高の続編”として認められたのか? 私見を述べさせてもらうなら、コッポラは同じスタイルやモチーフの繰り返しを最大限に利用して、まったく違う指向性の映画を作り上げたからだ。『ゴッドファーザー』が映画の教科書なら、『PARTII』はむしろ、観客が思う“映画”という形式すら揺るがせる怪物だ。

1/4ページ

最終更新:3/20(水) 12:08
CINEMORE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ