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ピエール瀧も…不祥事を起こした芸能人の「作品を封印」するのは妥当なのか?

3/20(水) 19:08配信

J-WAVE NEWS

俳優やミュージシャンとして活動していたピエール瀧容疑者がコカイン使用の疑いで逮捕されたことを受け、滝容疑者が関わったドラマ、映画、CDなどが自粛や取り下げられ、物議を醸しています。近年、犯罪や不祥事を起こした芸能人の作品が封印される、というケースが多く、「作品に罪はないのに」といった声も聞かれます。なぜ、封印されるのでしょうか。妥当なのでしょうか。コンテンツ産業に詳しい、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員の境 真良さんに訊きました。

【3月18日(月)のオンエア:『JAM THE WORLD』の「UP CLOSE」(ナビゲーター:グローバー/月曜担当ニュースアドバイザー:津田大介)

封印しなくてはならない基準やルールはない

ピエール瀧容疑の逮捕によって、ソニー・ミュージックレーベルズは、電気グルーヴのCDや映像の出荷を停止と回収、及びデジタル配信の停止を発表。NHKは連続テレビ小説『あまちゃん』や大河ドラマ『龍馬伝』など、過去の出演作品の配信を当面停止。セガゲームスはゲームソフト『JUDGE EYES:死神の遺言』の販売自粛を決定するなど、多くの作品に影響が出ています。芸能人の不祥事による作品の封印を、境さんはどう捉えているのでしょうか。

境:そもそも、封印をしなくてはならない基準やルールはありません。不祥事を受けて、関係者が自身で「出さない方がいい」と判断したことが連鎖しています。当然、不祥事を起こした人は身柄を拘束されることもあるので、これから作品に出演することは難しい。そのため、代役を立てたり役柄が変わたったりすることは、しかたがないと誰しもが納得します。では、過去作品についてはでどうでしょうか。たとえば脇役だったのに作品自体を扱わないとか、音楽ではすでに販売しているものを回収するとか。そのような過去作品の封印と、これからの作品の封印とは、違ったものとして考える必要があります。

インターネット時代だからこその問題もあると、境さんは続けます。

境:これまではテレビ番組をDVDなどにして販売していました。それだと、売ったあとなので、レンタルでどう使われようがコントロールできなかった。ところが、いまはインターネットを使って日々刻々と新たな配信行為をしているので、過去作品を停止する判断をすることもありえます。さらにひどい例として、「この事件があったため、過去作品の(その容疑者の)顔を変えてしまえ」というような差し替えも技術的には可能になります。そうなると、過去に放送した作品とは違うものが、あたかも当初の作品であるかのように書き変えられてしまう。この問題は過去を記録するというアーカイブの問題とも絡んできます。

出演広告の場合は、どのような対応が妥当なのでしょうか。

境:かつてあった広告はアーカイブ的な意味も含まれるため、封印することはやや行き過ぎかとも思います。しかし、いま放送中の広告においては、広告主の明確な判断があれば(封印は)しかたないと思います。
津田:永遠に封印しようとすることが無理やりだし、文化にとって本当に正しいことなのか、という疑問もありますよね。
境:そうですね。広告の場合、将来の研究や利活用の点も含めて、アーカイブしておくこと自体は必要だと思うし、そこまでは変えたくない。しかし、現在進行中のものに対しての差し替えはあり得ると考えます。

音楽やテレビ、ラジオなど、どんなチャンネルであってもたくさんの情報が流れてきますが、それらを見たり聴き続けたりする必要はありません。「嫌だ」と思う人がチャンネルやサイトを変えることで自己防衛ができるかどうかも、判断の基準に入れるべきだと、境さんは述べました。

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最終更新:3/20(水) 19:08
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