ここから本文です

若かりしころの太陽系とよく似た「ミニ太陽系」が見つかった

3/20(水) 11:34配信

サイエンスポータル

 私たちの太陽系には太陽のまわりを回る8個の惑星があって、地球は太陽に近いほうから3番目にあたる。ひとつ外側の火星までは岩石でできた硬い地面をもつ「地球型惑星」。その外側の木星と土星は、ガスが集まって球形になっている「巨大ガス惑星」。さらに外側の天王星と海王星は「巨大氷惑星」だ。いまから46億年ほど前、ガスやちりが太陽のまわりを回転する「原子惑星系円盤」の中で、これらが寄り集まって惑星は誕生した。

 太陽系惑星の素性やでき方が詳しくわかっているのは、なんといっても私たちに近いからだ。火星と金星にはすでに着陸したことがあるし、水星、木星などは、ごく近くからの観測に成功している。太陽は、宇宙に数ある恒星のひとつにすぎないので、まわりに惑星を従えた太陽のような恒星も、たくさんあるはずだ。太陽系以外の惑星である「系外惑星」も、実際に数多く見つかっている。だが、これらの惑星系はあまりに遠い。中心にある星が太陽に似た恒星ならば、周回する惑星も太陽系とおなじようなしくみでできたのだろう。そう考えられているが、観測が不十分で確証がなかった。

 国立天文台ハワイ観測所の工藤智幸(くどう ともゆき)研究員らは、「おうし座DM星」のまわりにできている原始惑星系円盤を高解像度で観測し、中心のDM星をちりがぐるりと取り巻いている「リング(輪)」を確認することに成功した。

 DM星は、地球から光の速さで行っても約470年かかる位置にあり、その質量(重さ)は太陽の半分ほど。太陽は誕生から46億年が経過しているが、DM星は300万~500万年で、まだ若い。工藤さんらは、南米チリの標高約5000メートルにある国際協力の「アルマ望遠鏡」を使って、惑星のもとになるちりが放つ微弱な電波を観測した。

 その結果、中心のDM星から3天文単位の距離にリングが新たに見つかり、これまでに発見されていた20天文単位の距離にあるリングや、60天文単位より遠方に広がる薄いちりも再確認できた。「天文単位」とは、地球と太陽の距離のこと。私たちの太陽系の場合、太陽から3天文単位、つまり太陽から地球までの距離の3倍の位置は火星と木星の間に相当し、そこでは無数の小惑星が浮かぶ「小惑星帯」が太陽を取り巻いている。20天文単位は天王星の位置。そして太陽系でも、30天文単位を超える遠方には、たくさんの小天体が散らばっている。リングを構成する無数のちりは、やがてまとまって惑星になる可能性がある。つまり、中心の星を幾重にもリングなどが取り巻いているDM星の原始惑星系円盤は、太陽系の成り立ちによく似ているのだ。

1/2ページ

最終更新:3/20(水) 11:34
サイエンスポータル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事