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米名門大のセレブ裏口入学事件、従来型の「寄付金」ではなく大学側を騙す数々の手口に衝撃走る

3/20(水) 11:40配信

THE PAGE

 米国の名門大学の入試をめぐって、人気俳優などのセレブが多額の賄賂を支払っていたことが明らかとなり、米国の司法当局が関係者50人を訴追するという事態になっています。今回の問題は、いわゆる寄付を積んで有名大学に入るという従来型のグレーな裏口入学ではなく、正規のルートで大学側を騙して合格させるというものであったことから、大きな話題を呼んでいます。

 基本的に筆記試験の点数さえよければ入学できる日本の大学と異なり、米国の名門大学は筆記試験の点数が良いことは最低限の条件に過ぎず、生徒会活動やボランティア活動、スポーツ、音楽など、勉強以外の項目が重視されます。米国の名門大学出身者が、頭脳明晰なだけでなく、プレゼンが上手く、リーダーシップがあると一般的に見なされているのも、こうした選抜システムが大きく影響していると考えられます。このため米国で名門大学を卒業したことのメリットは、学歴社会といわれる日本よりも大きいとさえ言われています。

 米国の名門大学には私立大学が多く、多額の寄付金を支払った人の子女が加点されることは、米国では一種の社会常識となっていました。しかしながら、今回の事件は正規のルートで不正入学するという点で、従来のいわゆる裏口入学とは大きく異なっています。また不正入学を依頼した人の中に、有名俳優が含まれていたことも多くの人の関心を惹き付けているようです。

 一連の不正入学を斡旋していたウィリアム・シンガー容疑者は、受験生を持つセレブから最大で7億円の報酬を受け取り、不正入学の工作を行っていました。シンガー容疑者の手口は様々で、学力試験の結果を良くするため、替え玉受験を行ったり、スポーツなどの実績をねつ造するため合成写真を作成するなど、広範囲にわたっています。多くの学校がスポーツ推薦枠を持っていることから、大学の運動部の監督を買収し、高額な賄賂を渡して、受験生を有力選手と偽って入学させるという古典的な手法もあったようです。

 日本でも一部の私立大学の場合、子弟が優先されたり、寄付金の額によって合否が変わるというのは半ば常識となっています。しかしながら日本でも選抜方法の多様化が進んでおり、全員が同じ条件で選抜されるとは限らなくなっていますから、こうした不正が日本でも発生しないという保証はありません。学歴をお金で買える社会になってしまうと、階層が固定化され、人材の流動性が乏しくなり、経済的にもよい影響を与えないでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/20(水) 11:40
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