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【むぎ(猫) インタビュー】もしも大切なものがなかったら最初に自分を大事にしてほしい

3/20(水) 10:03配信

OKMusic

5年間の天国暮らしからこの世に舞い戻って以来、歌い、踊り、楽器を弾いて人々を楽しませ、2017年には猫界初の『FUJI ROCK FESTIVAL』への出演も果たしたマルチ猫・むぎ(猫)が、3月20日にメジャーデビュー! 1stアルバム『君に会いに』は多彩なジャンルを貪欲に飲み込んで、“ミュージシャンとしてひとつ上にステップアップできた”という言葉も納得だ。人生の真理をえぐるのではなく“くすぐる”彼のやさしく、愛らしいスタイルは、きっと貴方の心を愛で満たすだろう。

むぎ(猫) インタビューのその他の写真

みんなの中にある何かをむぎのかわいさでくすぐりたい

──メジャーデビューが決まって、今はどんな毎日ですか?

どこに行っても“メジャーデビューおめでとう”って祝福の言葉をいただいて、こんなに嬉しい毎日はないですね。気持ちとしてはこれからも変わらず、近所の猫みたいにかわいがってもらえたらと思っているんですけど。

──いやいや! 天国帰りの猫なんて、普通は近所にいませんよ。実はむぎさん、1度お亡くなりになっているんですよね?

はい。5年間の天国暮らしのあと、カイヌシの手作りで新しい体を手に入れて、2014年にこの世に戻ってくることができたんです。大きさも体質も変わっちゃったんで、ジャンプ力がなくなったり、暗闇や暑さに弱くなっちゃいましたけど(笑)。

──にもかかわらず、余計に熱くなる音楽活動を始めたのはなぜなんでしょう?

最初はむぎもカイヌシも音楽をするつもりなんてなくて、街中をお散歩とかしているだけだったんです。で、その様子をTwitterにアップしていたら、ある日、猫のイベントに出演しないかと声を掛けていただいて、そこでカイヌシと相談をしてライヴをしたのがきっかけですね。もともとカイヌシは音楽をやっていたんで、いろんなことを教えてもらいながら、今は曲作りも共同作業で一緒にやってます。ライヴでは基本的に木琴を叩いているんですけど、それはギターとかだと毛が挟まって、全部ミュートしちゃうからなんですよ(笑)。

──天国から帰ってきて、さらに5年が経ちましたが、むぎさんの歌って本当に心に響くというか。シンプルだけれど図星を突いてくる言葉がたくさん詰まっていますよね。それでいて温かい。

ありがとうございます。むぎは歌った瞬間に意味が分かるような歌を作りたいと思っているんですよ。なので、シンプルな言葉や伝わりやすい語順っていうのは意識してます。やっぱり何かが“あ!”って分かる瞬間って気持ち良いじゃないですか。だから、“あぁ、なるほどね!”っていう駄洒落の曲もあったりして…例えばデビューアルバムの『君に会いに』に入っている「CとDと」は、音にすると“sheとデート”。つまり、片思いをしているお友達の猫ちゃんの心境を歌った曲になっているんです。

──インディーズ時代には「AとBと」という曲もあって、こちらは“エイトビート”のロック曲ですからね。フォーキーな「猫と学校」だったり、やっぱり猫視点の曲が多いのも猫のアーティストならではかと。

うん。例えばアルバム9曲目の「四輪駆動の飛び出し坊や」には、“今、ここから飛び出して俺は頑張るんだ!”っていう決意と、こういう気持ちで猫は飛び出すから安全運転をお願いしますっていうふたつの意味が込められているんです。そこからさらに進んで、今回のアルバムでは堂々と“むぎはミュージシャンです!”と言えるような曲も盛り込まれているんですよ。かわいらしさだけじゃなく、カッコ良いむぎも見せたくて作ったのが「夢から醒めた夢」で、ライヴで歌っていてもひとつ新しくなれたような気がして気に入ってます。

──幻想的で大人びた雰囲気があって、確かに少し驚きました。巧みな木琴演奏を取り入れつつ、その他の楽曲もロック、パンク、ラテン、カントリーと本当に多彩で、中でも「流れ星」の速弾きピアノは見事!

あれ、むぎが弾いたんですよ。前は鍵盤やらギターはカイヌシに任せっ切りだったんですけど、最近むぎもピアノが弾けることが分かったんです。この“ねこさし指”で!(笑) 今回のアルバムは全12曲のうち2曲だけギターをお友達に手伝ってもらって、それ以外は全部むぎとカイヌシの共同作業で録音しました。もう、ほとんどの曲をライヴで披露していて、特に表題曲の「君に会いに」はストレートにむぎの世界観を出せている曲なのではまりますね。

──その“むぎの世界観”を、具体的に言葉で説明するなら?

なんて言えばいいんだろうなぁ…なんか懐かしいようで、新しいようで、みんなの中にある何かをくすぐるような曲かな。

──“くすぐる”って良い表現ですね。よく、ロックでは“えぐる”という表現がありますけど。

そうそう。えぐるんじゃなくてコチョコチョ!ってくすぐる。人間のくすぐったいところを、むぎのかわいさ…わっ、自分で“可愛い”って言っちゃってますけど、この見た目と歌でコチョコチョしていきたい。人の中で暮らしていても、むぎもね、やっぱりひとりぼっちなんだなって思うことはよくあるんです。本当に温かい家族の中で暮らしていても、ひとりの瞬間ってあるし、不安な夜もある。そういう時、誰か助けてくれる歌や人がいてくれたら…っていう想いを書いたのが「君に会いに」なんですよ。

──軽快なサウンドの裏でネガティヴな感情を知っているからこそ、むぎさんの曲ってやさしくて温かいんですね。反面、ダウナーな打ち込みビートに乗って自分の歌に自分でツッコむ「無視できない虫」とか、曲中に台詞や語りが入ってくるのも“むぎワールド”だなぁと。

やっぱりライヴでは、エンターテイナーとして演じたいんですよ。歌だけじゃなくMCも含め、みんなに“何か楽しい体験をしたぞ!”という気持ちで帰ってほしいので、いろいろ台詞を入れてみたり、ちょっと劇的になっているところはありますね。

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最終更新:3/20(水) 10:03
OKMusic

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