ここから本文です

絶滅危惧のジュゴン さらに危機的状況に 残り2頭も消息不明 環境団体「辺野古工事の影響か」

3/20(水) 10:20配信

沖縄タイムス

 沖縄本島周辺で確認されていたジュゴンの1頭、通称「個体B」が死んだ。古宇利島周辺を主な生息域としていた個体Bは、辺戸岬から安田沖まで広範囲に移動していた記録があり、環境団体は名護市辺野古の新基地建設が影響した可能性を指摘する。残りの2頭も消息が途絶えており、沖縄のジュゴンは危機的な状況にある。(社会部・松田麗香)

【地図】傷ついたジュゴンの死骸が発見された沖縄・運天漁港

わずか3頭

 沖縄でジュゴンは古くから食用として漁獲されたり、信仰の対象として民話に登場したりと、沖縄の人にとって身近な生き物だった。しかし、沖縄戦後の食糧難の時代に乱獲で数が激減。1972年に国の天然記念物に指定された。79~2004年までに、県内で漁網にかかったり死骸で見つかったりした混獲・座礁事例は18件ある。

 07年から沖縄防衛局が実施した環境影響評価で、発見されたジュゴンはわずか3頭。残りは、個体Bの子とみられ大浦湾を行動範囲としていた個体Cと、嘉陽沖周辺の個体Aだ。個体Cは15年6月以降、個体Aも18年9月以降、行方が分からなくなっている。

控訴審が進行中

 日本自然保護協会は19日の声明で、個体AとCが姿を見せなくなったのは新基地建設との関連性が高いと指摘。個体Bも、移動の際に土砂運搬船の影響を受けていた可能性があるとみる。

 新基地建設を巡っては、03年9月に日米の環境保護団体などがジュゴン保護のために工事中止を求めて米国防総省を提訴。現在は連邦高裁で控訴審が進行中だ。今回の事態が訴訟の行方に影響するのか、現段階では見通せない。

 訴訟に関わるジュゴン保護キャンペーンセンターの吉川秀樹さんは「数少ない1頭が亡くなり、沖縄のジュゴンはさらに危機的な状況になった」と国や県の保護を訴えている。

最終更新:3/20(水) 12:35
沖縄タイムス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事