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古い映画のオリジナル・スチル写真が持つ、宣伝ポスター以上の価値。

3/21(木) 17:49配信

octane.jp

上の写真には、フィアット124スパイダーと軽量飛行機の闘い、追走、スタントといったものが描写されている。場所は不明だが、イタリアのナンバーには"172452 UD"とある。俳優の顔は見えないが、画像には1972年と記載され、"FG-A-3"と記されているこの写真は、1990年代後期にユナイテッド・アーティスト社から入手した題名もわからない映画のスチル写真だ。

ヒストリックカーが登場する長編映画の失敗作か駄作のシーンが写っている。 私がこの写真を見つけたのは、ロンドンのソーホーでレストランや風俗店が立ち並ぶなかにある、うらぶれた店舗だった。映画グッズを販売する店で、店主と熱心な友人たちが映画の些細なことについて激論している間、私は古いスチル写真が入った箱の中を漁っていた。成功しなかった俳優たちのモノクロポートレートの束をめくり、中から自動車のパーツが載ったスチル写真を数枚選んで購入した。青白い顔の映画ファンたちは、私が選んだものを見てひどく戸惑っていた。

私が買ったのは、『Death Race 2000(邦題:デス・レース2000年)』、『Death Wish 3(邦題:スーパー・マグナム)』、『 Vanishing Point(邦題:バニシング・ポイント)』、『Corvette Weekend』、『The Green Helmet』、『The Lively Set』などで、カーアクションがある映画のものなら、なんでも欲しかったのだ。

これらは、映画の宣伝のために配給会社が配布したものだ。20世紀にはスチル写真家が、現場での状況や舞台裏、カメラが回っていないシーン、コスチュームをまとったスターたちを大量に撮影した。広報担当者たちは、この写真のほかに多くの素材を追加して、プレスキットを仕立て上げた。映画会社の宣伝担当者が選んだスチル写真の既定サイズは8×10インチ(約20×25㎝)で、モノクロ光沢印画紙を使った。1920年代から1990年代までの新聞や雑誌のスタイルに合わせたものだ。

私は車が写っていて、面白そうなカットをすべて選んだ。まずはスチル写真を購入し、後からどの映画のものだったのかを調べるのだ。現在では、インターネットに頼ればすぐに詳細がわかるが、MG TDと主人公が写っている写真の詳細もすぐに判明した。それはドウェイン・ヒックマン主演、1965年公開の『Bikini Machine』のカットであった。

ダッジ・スポーツマン・カスタムRVが、エアストリームを牽いたシボレーに追われている写真は、ジェームズ・カーンの1972年公開作品『Slither』のシーンだった。ダッジの写真もあったが、その後、川へと飛び込むことになる。

クラシックな映画を語ると、映画の中の劇的なシーンについて深みにはまり始める。私のコレクションには、イギリスの映画『The Damned』の1シーンがある。それはオリヴァー・リードのスタントマンによる危険なシーンで、ジャガーXK120が橋のガードレールを突き破るという、驚くべき画像だ。1990年代後半の写真1枚に5ポンド(約935円)以上を払った覚えはないが、オリジナルのスチル写真は、現在ではもっと高価になっているという。それを入手した店はもう存在せず、ケータリングの店に変わった。

世界で最も多く映画スチル写真コレクターのひとりにジョン・コバールがいる。彼は、一時期イギリスにおける映画制作の中心地であったロンドンのウォーダー街で写真をかき集めた。皮肉なことに、MGMやワーナーブラザーズが、自身の失われた逸品を見つけるため、彼を訪問するという。

皆さんは、このフィアット124の写真を観て、どんな感想を抱かれただろうか。

Octane Japan 編集部

最終更新:3/21(木) 17:49
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